②背面片足牽引回復法(体幹の歪みを正す)

②背面片足牽引回復法(体幹の歪みを正す)

このページは以下の回復整体基礎理論①~⑥の説明中の技法です。応用技法として単体でも活用可能ですが、基礎理論説明と合わせて活用ください。(この技法自体は回復基礎理論⑥からリンクされています。)

回復整体基礎理論①(身体の歪みを解消する仕組み)

回復整体基礎理論②(対症療法と原因療法)

回復整体基礎理論③(身体と脳(心)の関係)

回復整体基礎理論④(呼吸運動理論)

回復整体基礎理論⑤(可動範囲と程度と加減)

回復整体基礎理論⑥(標準アプローチ法技術解説)


②背面片足牽引回復法

背面片足牽引回復法は回復標準APP法の中で、最も施術の際の動作が大きく、そして中心となる技法である。
この回復法は身体のもっとも大きな歪みを正す技法である。

主に身体の全面(腹側)の筋肉の緊張を解消させる回復法である。
この回復法を行うことで、神経痛が原因である、

■屈曲姿勢での腰痛

■特定の股関節痛

■骨盤周辺の違和感

■腹痛、胃の痛み

■胸部の違和感

等の回復が見込める。

上記のほかにも様々な症状が改善される。
背面片足牽引回復法は、基礎理論で説明した「程度と加減」を最も意識して行わなければならない。

以下、背面片足牽引回復法の手順と注意事項を述べる。

ア)施術者の体勢は膝上げ検査で低かった側の足に対し、蹲踞(そんきょ)の姿勢で施術者と不調者がTの字(垂直)になるよう位置する。

イ)呼気で、両手を同時に対象の側の足首に触れる。その際、事前に足首周の裾をたくし上げておく。(ズボンなどの裾を握らない)

エ)触れると同時に片足首関節に掛からないように、踵より少し上に力を入れずに包み込むようにして保持する。(両手保持の仕方は図を参照)

オ)ア~エの体勢がとれた後、その位置から体勢を崩さずに吸気で足首を持ち上げる。

カ)掌と足首との間に隙間を作らない。

キ)アキレス腱を絶対に握らない、触れないこと。

ク)足首を持ち上げた後、吸気で骨盤、股関節、身体全面の筋肉の状態を意識しながら、徐々に施術者の体重をかけ、牽引を行う。

ケ)その際、各関節の可動域を超えてはならない。

コ)各関節の自然な動きに対応しながら施術者の体重をあずけていく。

サ)各関節の可動域の限界まで牽引を掛けたところで、一旦体重を施術者の膝に乗せ、更に反対側の足を開き、予測した位置に足場を作る。

シ)牽引を保持したまま、吸気で作った足場に向け体重移動させる。

ス)牽引が抜けないよう、片方の足側へ自分の足を滑らせ、正中線を超えるように自分の重心を移動させる。

セ)移動させた後、その位置にて2~3呼吸保持する。正しく内側に牽引されると腸骨は可動範囲内で浮く。

ソ)セの後、呼気で先程の過程の逆動作にてゆっくりと躊躇せず、無理のないようにもとの位置に戻る。

タ)蹲踞(そんきょ)の姿勢から呼気で足首を床に戻し、更に静止した位置で吸気にて両手を開放する。

背面片足牽引回復法

背面片足牽引回復法 両手の組み方
人差し指を図のように差し込み足首を保持する

低かった側の足を保持

蹲踞(そんきょ)の姿勢で膝上げ検査の際、低かった側の足を保持し、持ち上げる。このとき足首は握らないこと。

術者の体 重を徐々に掛けていく

相手の各関節の可動域を越さぬように施術者の体重を徐々に掛けていく。決して無理な動作をしないこと。

相手の可動域に合わせて体重を掛け手牽引していく

正面からの図
蹲踞(そんきょ)の姿勢から、相手の可動域に合わせて体重を掛け手牽引していく。この動作での呼吸は吸気で行う。

予測される位置に反対側の足を置く

牽引を保持したまま、膝に体重を乗せかえ、予測される位置に反対側の足を置く。このとき、施術者の動作により、相手に振動を与えるなど、各関節の可動域を阻害しないように注意する。

可動域を阻害しないように体重を移動

牽引を保持したまま、予測される位置に移動させた足場に吸気で各関節の可動域を阻害しないように徐々に体重を移動させる。その後、2~3呼吸その体勢で牽引を保持する。

ゆっくりと元に戻す

呼気で牽引を解き、先程と逆の順でゆっくりと元に戻す。足首を床にし、最後に吸気で両手を離し開放する。最後まで気を抜かず、各関節の可動域、呼吸を意識すること。

体重を乗せ下方にけん引をかけた図

正中線に対し骨盤が開店して黒線のように牽引がかかる


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