回復整体基礎理論②(対症療法と原因療法)

前の記事「回復整体基礎理論①(身体の歪みを解消する仕組み)」


目次

回復整体基礎理論②のポイント

  • 身体の動作中に発生する不具合の原因が特定できるか
  • 対症療法は身体の病気や不具合を治すことが目的
  • 健康に悪影響を与える対症療法
  • 原因療法とは自律=自立である
  • 身体の能力を信じる根本療法、信じない対症療法

対症療法とは

表面にあらわれた種々の症状に対して適切な処置を行なって患者の苦痛を除くことを主眼とした治療法。
例えば、腰痛がある不調者(患者)に、鎮痛剤を処方して一時的に痛みを止めるような方法が対症療法である。

また、これらの痛みの原因を根本から解消せずに、神経系を麻痺させたり、遮断する措置(手術)などで痛みを取り除く方法も同じである。
その不調者の直接的な原因を解消せずに、薬物や手術によりその場かぎりの痛みを抑制することをいう。

原因が心労であっても、薬物や手術によってこれらの治療法のみに頼る場合も同様である。

薬物を使えば必ず副作用がある。
例:腰痛に鎮痛剤を服用して仕事をする・・・

痛みを一時的に止めるだけなので、無理をすることで余計に痛みが増す。
また、副作用がある。

例:胃痛に鎮痛剤を服用して仕事をする・・・
本来の原因は、職場の人間関係であり、薬を服用しても根本的に解消しない。また、副作用がある。

例:股関節の痛みを手術した・・・
手術をすると、痛みは解消しても、切り取った組織は元に戻らないものもある。手術痕はいつまでも残る。根本原因をとらないのでいつの日にかまた同じ症状が出る可能性もある。

原因(根本)療法

あらゆる現象を考慮して、より深いレベルからその症状に対して、原因療法を実践することが必要。
人間の身体とは、その場に出ている症状を物理的に考え、対応しても、関連するあらゆる疾患が益々現れてくる。

例えば、膝が痛い人間がいるとする。これを膝の痛みだけに目を向けるのが対症療法である。
痛みを解消するため、物理的に現象を考え、薬物を使い痛みを取り除いたり、膝の内部の組織を取り除いたり、神経を制御したりする部分的な措置などを行う。

しかし、根本的な原因は膝そのものではないこともある。膝の痛みは他の痛みから関連して発生したものとして考えると、他の原因が浮かび上がる。骨格の歪みが原因で膝に負担がかかり、痛みが発生していたとする。
この場合の根本的な原因は骨格の歪みが原因となる。

身体の様々な反応を応用した回復法は根本療法である。

対症療法とは目的が違う回復法

病気を治すことが目的ではなく骨格を正常な状態に戻すことが目的。
身体(脳)が環境に適応して現在の状況を作り出していると考える。

外部から与えられた力に頼らない。
自然治癒力を信用する方法→自立。
身体の健康的な自立を支援する方法。(子供を甘やかさないことと同様。身体を外部の力を頼り甘やかすと怠けてしまう→退化)

自律と自立

自律 = 他からの支配や助力を受けず、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制すること。
自立 = 他の助けや支配なしに自分一人の力で物事を行うこと。ひとりだち。独立。

回復法の特徴 施術の結果が必然性(再現性)があること

① 必然性があること(再現できること)

回復法は原因療法→必然性(偶然ではない、必ず結果がでる。)
薬物療法など対症療法→偶然性(必然ではない、効かないかも?)

例:胃が痛む→鎮痛剤→一時的に痛みを止める→また痛くなる→本来の原因は心労(職場のストレス)→投薬は根本的な解決(原因)ではない
理論的根拠に基づき、骨格問診、骨格検査を行い、骨格診断があり、始めて施術が可能となる。

理論的根拠を知っていれば、誰が行っても、全く同じ結果が出る。
例:呼吸と筋肉の関係→脳の反応を利用→自然の法則→誰が行っても変わることがない。

偶然はありえない。地球の自転や日の出、日の入りの方向が同じという、自然現象は偶然ではない。法則である。

② 説明に根拠があること

必然性がある→結果に対して、何故その結果が出たのか具体的根拠でとなる説明が出来ること。(事実が説明できる)

例:現代科学の検査機器
高価な検査機器(CTスキャン、MRI,レントゲンetc・・・)でも、発見できない物理現象が沢山ある。→平面的検査の一つ→見逃しがある→他の方向からの検査も必要→一つの方法ではなく、多面的な検査が必要。

相手の訴える痛みを無視して検査。(検査機器の都合に合わせての検査 )
痛みのある状態で検査をしなければ意味を成さない。痛みがない状態で検査しても、本来の原因が特定できない。→検査機器の限界→痛みを維持しての体制はこれらの検査機器では不可能(寝た姿勢や直立姿勢意外無理)

症状が発生するその動作、その姿勢が問題。
座っていると痛い。立つ動きで痛い。など、骨格と筋肉の重力関係や方向性が無視されている。→これらはどんな検査機器でも発見できない。

その状態が身体の動作中のみに発生するのであれば、その動きの中で検査をしなければ、確実な結果が出ない。

③ 症状の原因が特定できること

偶然では、説明が出来ない。
何故、その現象が起きていて、行った結果によってなぜ解消されたのか?

説明が出来ない限り、そこに必然性はない。

例:膝に水が溜まる症状
膝に水が溜まり、この水を外科的措置で抜いたとする。しかし、しばらくするとまた水が溜まってくる。抜いたことは対象療法であり、原因を解消していないため、同じ現象が繰り返される。
水が溜まる根本原因を解明しこれに対応することが必要。

例:骨格診断→腰の痛みをかばうことが原因で骨格の歪みが発生→歩行において、膝に負担がかかっていたため、関節間で問題が発生→水が溜まることで、身体は膝を保護していた。
本来の原因まで掘り下げて考えるのが原因療法。

原因が特定され、初めて解消する方法が考えらる。
これで必然性的な施術が可能となり、健康回復できる。

④原因療法と対症療法は相反する概念である。

原因療法と対症療法の役割(使い方)

最も望ましいのは原因を特定した原因療法で解決することが重要。
但し、対象療法が必要でないという否定ではない。

救急医療の現実などでは、対症療法がなければ命を落とす場合もある。
例:事故などで骨折した場合の手術や、心肺蘇生の際の薬物等

全てが対症療法で対応できると考えるのが間違いである。
両方をバランスよく、その役割に応じて組み合わせて行うことが重要。

目の前の症状を考慮して、症状の根本原因を解消するために必要に応じて使い分けることが望ましいと考える。
いくら原因療法が正しいといっても、目の前で生命の危機にある人間に対して根本原因を正そうとしてもその前に生命が失われてしまう。

必要に応じて、対症療法を念頭に入れながら、症状の原因の深さや、進行程度を考慮する。

その時々の状態により、ある程度の時間をかけ、ゆっくりと原因療法を行うことが不可能な場合は、役割に応じて、対症療法も同時に行うことが本来の方法であると考える。
また、相手の理解を得ないで行う原因療法も問題がある。その状況によって、不調者の意思により原因療法を理解し、自発的に行うことが大切である。

その際、対症療法を否定したり、間違いだと指摘するのは逆に、相手の感情を考慮していないため問題になる。
対症療法を本人が、その役割として理解する事が必要であり、原因療法を行うことの重要性を考慮して相手が信用することが最も必要となる。

いずれにしても、自然治癒力が最大限発揮される方法を、それぞれの療法の役割に応じて使い分けることが今後必要な時代となってくる。

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