標準アプローチ法実技の実際
標準APP法における骨格検査法
伏臥位での骨格検査
仰臥位での検査が終了後、伏臥位の検査にうつる。
伏臥位での検査も、不調者の痛みや不具合の程度により不快感がある場合は省略してもかまわない。
決して無理のないように行うこと。
伏臥位姿見検査
仰臥位同様、伏臥位での相手の身体全体の歪み、捻じれ、下肢、上肢の方向、
顔の向き等を全体の位置関係を把握する。
ここでは、外見上の骨格の状態をみる。
関節や筋肉の状態について詳細は省いて全体としてどのような歪みや捻じれがあるかを把握するための検査である。
頭の先から、足の先まで左右対称に見てどのような違いがあるか回復ノートに記録し、不調者にその違いを説明する。
仰臥位と同じように伏臥位での身体全体としての歪みや捻じれを把握する。
足の長さの違い
足先を立て気味に、かかとをあわせて検査する。
短い方を硬い側とする。
足先の開き具合
外旋しているか否かをみる。
臀部の高低をみる
腰背部の高低をみる
膨隆、湾曲、脊椎の捻じれ、棘突起の凹凸はないか。
肩部の状態をみる
床と肩部の高低、左右の膨隆はないか。
胴体の歪みをみる
以下のような長さの薄いベニア板を用意し、脇から腰に板をあてがい板と胴体
との隙間を検査する。
肩甲骨及び体幹なぞり検査
肩甲骨の左右の位置と体幹の状態を図のように左右同時になぞり、検査する。
肩甲骨は左右とも図の位置で(三角形の頂点)上下の差を確認する。
全て検査結果として回復ノートに記録する。
腰背部なぞり検査
胸椎1番から腰椎5番まで両手の中指を合わせ、棘突起に両手中指の腹で挟み込むようにして無理な抵抗や圧力を加えず、常に同じ触れ方で自然な流れを意識して検査する。
両手中指で棘突起を感じながら下方になぞっていくが、検査の途中で棘突起が横に流れたり、膨隆箇所などがある場合はこれらの箇所に対して強い刺激を与えてはならない。
胸椎1 番から下方へ棘突起を両手中指を挟み込むように無理なく棘突起の位置関係を頭に入れながら検査する。
以上、標準APP法での検査法を解説した。
その他の検査方法として、以下のような施術者の感覚器官を通して相手の状況を判断する方法がある。
触感と同様、重要な検査方法であるので念頭に入れて検査を行うように。
目を使った確認
痛みを感じているか、相手の表情(眉間にしわを寄せいていないか)、相手の顔
色、眼球の動き、不安を感じていないか、呼吸のリズムはおかしくないか等。
耳を使った確認
相手の言葉が明瞭か、不安を感じていないか、動作の際、身体各部の関節から
音がしないか、施術中緊張が解けてくると副交感神経の働きから、胃腸の働き
が活発になるため「ゴロゴロ」と音がする。
腹部から発する音で施術効果があったと判断できる。
鼻(臭い)を使った確認
相手の身体からの臭いに異常はないか、相手が不快に感じる臭いは何か等。
次の記事「標準APP法実技解説」
標準アプローチ法/仰臥位・伏臥位骨格検査解説
<目次>
1.標準アプローチ法実技解説/ 標準アプローチ法手順について
3.標準APP法における骨格検査法/検査と観察(用語の説明)
7.標準アプローチ法実技解説 /膝の曲がりと高さをみる(仰臥位)
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