このページは以下の回復整体基礎理論①~⑥の説明中の技法です。応用技法として単体でも活用可能ですが、基礎理論説明と合わせて活用ください。(この技法自体は回復基礎理論⑥からリンクされています。)
⑦挙上揺らし牽引回復法
挙上揺らし牽引回復法は相手の身体の上方から、全身に牽引、揺らし動作をかける回復法である。
上肢の挙上により、身体の緊張が内側に多くみられる場合、特に上半身に対しての様々な筋肉の緊張を改善させる手法である。
この回復法は、揺らし動作、牽引の2つを同時に行うことで相乗効果を出すことが可能となる。
挙上揺らし牽引回復法は、相手の両手首を施術者の掌で保持しながら、体重を後方に移動することで相手の身体に対し牽引をかけ、同時に揺らし動作を行う画期的で高度な回復法である。
この回復法での揺らし動作は、肩関節があらゆる方向に動作する、非常に複雑な構造上、最も注意を要する。
回復法の中で一番可動範囲が複雑な牽引、揺らし動作となる。
揺らし動作、牽引のどちらを行うときも相手に決して痛みを与えず、相手の状態に応じて常に一定の動作を心がける。
両上肢とも、牽引をゆるませることなく、一定のスピードで相手の可動範囲に応じて動作をすること。
相手の肩関節、肩甲骨、鎖骨等、肩部周辺の可動域が少なくなっている場合、施術者の都合に合わせて牽引動作を行ってはならない。
両上肢とも、角度、方向性、牽引を常に念頭に入れ回復法を行うこと。
可動範囲のない相手に対しても、施術が進むうち各所の緊張が解消されると揺らし動作が大きくなり、痛みや不具合が解消する。
この回復法で改善される主な部位は、肩関節、肩甲骨、鎖骨に関連する関節、筋肉、肩甲下筋、大胸筋等、上半身の前面に対する緊張が解消する。
これらの部位の具体的な症状としては四十肩、五十肩、椎間板の劣化収縮、椎間板ヘルニアの一部の症状、肩甲骨、鎖骨の可動不良、呼吸に関連した症状、これに関連した疲労や様々な症状が改善される。
以下、挙上揺らし牽引回復法における手順と注意事項を述べる。
ア)施術者は不調者の上方(頭の方向)に位置し、不調者に見える範囲に両腕を差し出し、両手を挙上させる。その際、片足を施術台に掛け、挙上を迎 える体勢を作る。
イ)相手に対し、両手を挙上した動作をとるように指示し、腕が垂直に挙上し た付近で相手の両手首を施術者の両掌で保持する。この時、約 30°~45°の位置で保持。 但し、相手の痛みや可動範囲により、この角度を任意に変更する。
ウ)掌全体で手首を包み込むように保持する。この時相手の手首を握らない。 相手の手首内側に指を触れず、強い刺激を与えないこと。 挙上の可動範囲に注意する。
エ)相手の手首をしっかりと保持した後、吸気で、牽引をかける。
オ)牽引は、相手の上肢がそれぞれ違う角度であれば、その角度を保持して関節の可動範囲を超えないように、突っ張り過ぎず、腕(肘の角度)に余裕を持たせ、施術者は胸を張り、猫背にならないように体重を上方にかけて いく。
カ)牽引が適度にかかったところで更に呼気で揺らし動作を開始する。 左右の上肢の可動範囲により、それぞれ揺らし動作の角度、方向、動作が 違うことに注意する。揺らし動作の際は常に牽引が抜けないように注意す る。
キ)揺らし動作の目安は、概ね 15~20 回くらいとする。手法の際、施術者側の 中心軸は常にぶれないように注意する。
ク)牽引を保持したまま、垂直位置まで戻す。 呼気で、解放する。開放の際は、相手の手首の動きに注意する。相手の手首の自然な動きに施術者はついていかなければならない。
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