7.上腕伸ばし姿勢位回復法<上半身の全体調整>

目次

■上腕伸ばし姿勢位回復法の具体的手順と施術者の姿勢

上腕伸ばし姿勢位回復法の目的

対象者の背部全体の緊張と肩部周辺の筋群の緊張を解消し関係した関節の可動範囲を広げ骨格の不具合症状を改善する。(脳の記憶・パターンの書換)

①写真のように対象者に自然な姿勢(力を抜いた)で仰臥位(仰向け)で寝てもらう。

② 「この位置にこの姿勢で寝て下さい。」等の言葉かけはしないこと。

③仰臥位(仰向け)にも個人差があるので相手が無意識に行う姿勢を優先すること。

具体的手順(施術者の姿勢①)

①下段、中段までの技法は施術者は写真の位置に体勢をとる。

具体的手順(施術者の姿勢②)

①上段の技法は施術者は写真の位置に体勢をとる。

 

■上腕伸ばし姿勢位回復法の具体的手順と下段・中段・上段の各姿勢

具体的手順(下段の基本姿勢)

①左右動作、回転動作とも共通。下段の基本姿勢。

②両手は合掌し腕を下方に突き出し写真のような姿勢をとる。

具体的手順(中段の姿勢)

①左右動作、回転動作とも共通。中段の基本姿勢。

②両手は合掌し腕を前方に突き出し写真のような姿勢をとる。

具体的手順(上段の姿勢)

①左右動作、回転動作とも共通。上段の基本姿勢。

②両手は合掌し腕を上方に突き出し写真のような姿勢をとる。

 

下段姿勢での動作 上背部・肩部の具体的手順

具体的手順(下段の姿勢動作①)

①写真のように下段の姿勢を相手に指示し施術者は「施術者の姿勢①」になる。(左側の例)

② 写真のように施術者は右手で合掌した相手の手のひらを包み込むように保持する。(対象者の右側の施術の場合)

③施術者が対象者の手のひらを保持する際は強く握ったりしない。

④緊張している対象者には力を入れないように指示する。

具体的手順(下段の姿勢動作②)

①写真のように下段の基本姿勢から右側に動作する。

②動作を行う前、対象者には「右側にゆっくりと両手を動かしてください。」と指示する。

③動作させると同時に施術者は対象者の保持した自分の右手を動きを邪魔しないようにタイミングよく移動させる。

④施術者の左手は症状のある部位に対して微圧法を行っても良い。

⑤緊張している対象者には力を入れないように指示する。

具体的手順(下段の姿勢動作③)

①写真のように下段の基本姿勢から左側に動作する。

②動作を行う前、対象者には「左側にゆっくりと両手を動かしてください。」と指示する。

③動作させると同時に施術者は対象者の保持した自分の右手の動きを邪魔しないようにタイミングよく移動させる。

④施術者の左手は症状のある部位に対して微圧法を行っても良い。

⑤緊張している対象者には力を入れないように指示する。

具体的手順(下段の姿勢動作)①~③を往復5回程度繰り返し終了。症状痛み等の確認をする。

 

中段姿勢での動作 中背部・肩部の具体的手順

具体的手順(中段の姿勢動作①)

①写真のように中段の姿勢を相手に指示し施術者は「施術者の姿勢①」になる。(左側の例)

② 写真のように施術者は右手で合掌した相手の手のひらを包み込むように保持する。(対象者の右側の施術の場合)

③施術者が対象者の手のひらを保持する際は強く握ったりしない。

④緊張している対象者には力を入れないように指示する。

 

具体的手順(中段の姿勢動作②)

①写真のように中段の基本姿勢から右側に動作する。

②動作を行う前、対象者には「右側にゆっくりと両手を動かしてください。」と指示する。

③動作させると同時に施術者は対象者の保持した自分の右手の動きを邪魔しないようにタイミングよく移動させる。

④施術者の左手は症状のある部位に対して微圧法を行っても良い。

⑤緊張している対象者には力を入れないように指示する。

 

具体的手順(中段の姿勢動作③)

①写真のように中段の基本姿勢から左側に動作する。

②動作を行う前、対象者には「左側にゆっくりと両手を動かしてください。」と指示する。

③動作させると同時に施術者は対象者の保持した自分の右手を動きを邪魔しないようにタイミングよく移動させる。

④施術者の左手は症状のある部位に対して微圧法を行っても良い。

⑤緊張している対象者には力を入れないように指示する。

具体的手順(中段の姿勢動作)①~③を往復5回程度繰り返し終了。症状痛み等の確認をする。

 

上段姿勢での動作 下背部・肩部・腋下の具体的手順

具体的手順(上段の姿勢動作①)

①写真のように上段の姿勢を相手に指示し施術者は「施術者の姿勢②」になる。(右側の例)

② 写真のように施術者は左手で合掌した相手の手のひらを包み込むように保持する。(対象者の右側の施術の場合)

③施術者が対象者の手のひらを保持する際は強く握ったりしない。

④緊張している対象者には力を入れないように指示する。

具体的手順(上段の姿勢動作②)

①写真のように上段の基本姿勢から右側に動作する。

②動作を行う前、対象者には「右側にゆっくりと両手を動かしてください。」と指示する。

③動作させると同時に施術者は対象者の保持した自分の左手の動きを邪魔しないようにタイミングよく移動させる。

④施術者の右手は症状のある部位に対して微圧法を行っても良い。

⑤緊張している対象者には力を入れないように指示する。

具体的手順(上段の姿勢動作③)

①写真のように上段の基本姿勢から左側に動作する。

②動作を行う前、対象者には「左側にゆっくりと両手を動かしてください。」と指示する。

③動作させると同時に施術者は対象者の保持した自分の左手を動きを邪魔しないようにタイミングよく移動させる。

④施術者の右手は症状のある部位に対して微圧法を行っても良い。

⑤緊張している対象者には力を入れないように指示する。

■具体的手順(上段の姿勢動作)①~③を往復5回程度繰り返し終了。症状痛み等の確認をする。

 

上腕伸ばし姿勢位回復法 応用 <両手五指組み合わせ>

上腕伸ばし姿勢位回復法<両手指組回転法>

①基本姿勢・下段・中段・上段の具体的手順については上腕姿勢位回復法と同じとなる。違いは写真のように両手の五指を組み合わせ、左右に回転させることである。

② 両手の五指を組み合わせることで対象各部の筋群の牽引がより細部に影響を与えることができる。

上腕伸ばし姿勢位回復法は上半身の全体調整の技法となります。

この技法は上半身の特に背中全体の筋群の緊張や疲労を解消し、更に肩部や腕全体関節等に影響を与えることのできる技法です。(腰背部痛、肩こり、四十肩、肩甲骨・鎖骨の連動した可動不良の改善等)

この技法は仰臥位(仰向け)の姿勢で腕に対して特定の動作を行うことにより、様々な部位の筋群に牽引をかける技法です。

床に腰背部の全体が触れていることで、床が軽圧法を行うと同様の外圧を与えることになります。

この外圧を利用して身体前面では腕を伸ばし、左右動作又は回転動作を行って腰背部の筋群に刺激を与えるわけです。

下段・中段・上段というような基本姿勢がある理由は、それぞれの位置において腰背部の筋群への影響が変わることにあります。

筋肉の性質上、同じ部位であっても運動の方法によって重力のかかり方が変わってきます。

そのため同じ部位によっても、重力に逆らうために筋肉は角度や方向がその都度違ってきます。

同じ部位の関節でも、曲げたり、伸ばしたり、捻ったりと様々な働きをしています。

この技法では腰背部の筋群に対して様々な方向から刺激を与えます。

腰背部の筋群に適度な牽引をかけたり、筋肉痛や疲労を解消できる方法です。

この技法をマスターすることで誰にでも直ぐ行える回復整体として利用してみて下さい。


基本7メソッド<目次>

回復整体基本メソッド解説(はじめに)

普段何気なく生活している中で人間はどのように身体を動かしているのか

回復整体の理論について

基本7メソッド骨格検査・診断編

直立姿勢位歪み診断法<姿見検査法>

直立姿勢位歪み診断法<アーム検査法>

正座姿勢位骨格診断法<正座検査法>

直立姿勢位歪み診断法<腸骨検査法>

イス姿勢位骨格歪み診断法<イス腰掛検査法>

基本7メソッド実技編

1.イス姿勢位回復法<イス足組法(骨盤前後の調整法)>

4.伏臥位腰背部軽擦法<広背筋を緩め筋肉痛解消>

5.イス前屈微圧法<座位で腰背部の緊張を解消する>

6.原位足首回転法<下半身・骨盤の全体調整>

7.上腕伸ばし姿勢位回復法<上半身の全体調整>


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