回復整体における次回施術の具体的伝達法

回復整体における次回施術の具体的伝達法

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予約システムカテゴリー
1.回復整体は繰り返しの運動療法/早期回復させる重要事項
2.他の民間療法における次回施術提案の根拠について考察
3.回復整体の次回予約提案は理論に基づく一連のプロセス上にある
4.回復整体で開業することのメリットとデメリット
5.回復整体における次回施術の具体的伝達法
6.整体師は指導者(専門家)である/次回予約のための考え方
7.予約システム(回復カリキュラム)は整体院成功の鍵
8.整体院はチームワークで回復カリキュラム(予約システム)を実行する
9.回復整体予約システム(回復カリキュラム)の理論的考察
10.予約システム(回復カリキュラム作成)まとめ


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目次


次回施術(回復カリキュラム)の具体的伝達法

この項目では、予約システム(患者の回復カリキュラム)において最も重要である、伝達法について解説する。
ただし、本書は予約システムの解説であるため、伝達法については基本的な解説にとどめておくので詳しく学びたい場合は、「経営・伝達法プログラムのカテゴリー」を参照のこと。

療術家の先生の多くが患者との適切な会話や、その場に応じた対応、雰囲気作りが苦手である。
私たちが指導した先生方であっても、回復整体を学ぶ前はこのような伝達スキルを「あまり必要だと感じていなかった。」「会話など、技術があれば要らないものである。」、「言葉で症状が回復できるわけが無い。」というような認識を持っていたようである。

重症の患者ほど痛みや症状による肉体的苦痛と同時に、精神的苦痛を抱えている。
患者との伝達を「苦手としている」、又は、「必要ないことだ」と感じている療術家の多くは、最も重要なこの事実について考えない方が楽だということかもしれない。

症状のみに焦点を当て、黙々と施術をし、精神的な部分に介入せず、当たり障り無く患者を家に帰したほうが施術者の精神的疲労度が低いためである。
だが、回復整体の理論では、「五感」を通して「脳内」に伝達される様々な情報が骨格の「乱れ」を生じさせているという事実に基づいている。

回復整体の伝達法とは単なるコミュニケーションスキルのことではない。
理論に基づいて、相手の内面(心の脳)に情報を発信し、行動や姿勢に変化を与える方法である。

適切な伝達をすることは、実際に相手に触れる施術と同様に重要である。
患者への伝達は決して避けては通れず、無くてはならない重要なものである。

初めて接する患者に短時間で打ち解け、相手の心のうちを理解するのは容易なことではないだろう。
回復整体はこの事実に現場で直面しながら、患者と深く精神的なつながりを持ちつつ、相手の健康を回復させるために最大限の能力を活用していかなければならない。

回復整体師は最も適切な伝達を心がける

回復整体は、どのような重症の患者が自院の施術を受けても、最も適切な伝達法を駆使しなければならない。
患者の性格や様々な生活様式を把握しながら、症状や痛みの程度は人の数だけあるという事実を踏まえながら考えていかなければならない。

現在、又は過去において患者が「五感」を通してどのような心理状況にあったのか、同時にその事実からどのようにして正確な骨格診断を導き出せるのか、真剣に考えていく必要がある。

このコーナーは回復整体の予約システム(患者の回復カリキュラム)の解説であるが、決して「情報としての知識」とせず日々の伝達法を実践し、予約システム(患者の回復カリキュラム)を理解すると共に身に付けて欲しい。

1.予約システムに欠かせない伝達法

伝達法は予約システムに欠かせないスキルである。

これは患者との信頼関係から生じる、人間の脳における情動システム(脳が何らかの刺激により反応し、喜び、快・不快、恐怖、不安などの一時的な感情を呼び起こすシステム)の最大限の活用方法であるからだ。
伝達法とは、骨格を正常にする働きを持つ回復法の理論そのものである。

我々は、日常的にも様々な人間とコミュニケーションを用い生活している。
その際、周囲の人間と敵対せず良い関係を保つためにも、これらの方法は自然に活用されているはずである。

回復整体の理論では、日常的に当たり前のように行われている人間同士の様々な伝達手段において、五感を通して脳内に入力された情報が骨格にどのような影響を与えているか深く考察している。

例えば、

■近所の人間と挨拶をする。近所の人との挨拶

■気心の知れた友人と笑って会話する

■何らかの問題で自分に非があれば神妙な表情で謝る。

この時、骨格がどのように変化しているかという事を、骨格検査から導き出す。

気心が知れた相手と会話をすれば、緊張しないので特別変化はない、あるいは身体の緊張がとけることもある。

しかし、何か不都合がありそれがストレスならば、骨格は緊張し身体が歪んでしまう。

施術家は患者と共に、上記のような会話や態度、周囲の環境などを考慮し、専門的に相手の骨格がどのように変位するかを見極めながら伝達法を駆使していく必要がある。
伝達法で経験を積み、短期間で患者の信頼を勝ち取ることが出来れば、次回施術(予約)も施術者の骨格診断から導いた適切な間隔で取ることができる。

すなわち、伝達法を具体的かつ有効に活用できることが患者の早期回復につながる。

①患者の緊張を解消し、骨格上の緊張をも改善する

患者は長年の症状や痛みにより、毎日過度の緊張を強いられている。
常に思考と感情がマイナスであり、生活は痛みを中心にまわっている。

施術家と接する際も緊張し、骨格診断において必要な情報をありのままに話しているとは限らない。
患者によっては、マイナス感情からけんか腰とも思えるような対応をするものも少なくない

五感を通して患者の緊張を取り除き、骨格を正常にすることを第一に考えながら伝達法を駆使する。
伝達法を駆使して患者の精神的苦痛を改善し同時に骨格上の問題も改善

五感を通じて発せられた情報は、脳内における情動システムを働かせ、「感動」、「感謝」、「共感」等の気持ちを活用し、これらが患者にとって精神的な支えになり、骨格上の“乱れ”を大きく改善させる。

②あらゆる側面から患者の健康上の不安を受け止める

嫌いな色が赤伝達法により患者との間に信頼関係が構築されると、患者は施術者に対し、これまで苦しんできた症状や傷みについて様々な表現で語りだす。

これまでの不安・恐怖を吐き出すことにより、身体全体が交感神経優位から副交感神経優位となり、全身の筋肉の緊張が解け、患者と会話せずとも、イメージしただけで骨格上の緊張がなくなるという現象が起こる。
患者は自らの症状や痛みについて、客観的に思考するようになり、施術者に健康回復について必要な情報や援助を求めてくるようになる。

これらは、予約システムにおける最も重要な取り組みと言える。

2. 伝達法での注意事項

①服装等身だしなみについて

特に初対面の患者では五感のうち、視覚から入る情報が大きな位置を占める。
施術者の服装や身だしなみが患者にとって不快で、嫌悪感を与えるようなものであってはならない。

自分が気に入っているからと言って、相手が好むとは限らない。
施術者の服装、身だしなみが不快であれば、ダイレクトに患者の症状は悪化し、痛みが増すと考えるべきである。

「たかが服装、身だしなみではないか。」と、軽んじて考えることは避けなければならない。

・ 清潔であること

・ 上着だけではなく、下着や靴下、身に付けるもの全てに気を配ること

・ 常に洗濯をした服であるよう気を配ること。

・ 女性の必要以上の化粧や香水は、見た目だけではなく、患者の嗅覚を刺激し、骨格上の問題を引き起こす可能性があるので考慮すること。

・ 髪の毛についても、ふけなどが服に付着しないように常に清潔にし、必要以上に色をつけて染めることは避け、高齢者にとっても好ましいものにしておくこと。

②伝達に用いる言葉について

人間には、元々脳に言葉を使うための領域が存在している。
発せられた言葉は、五感により「音」として聴覚に取り込まれる。

自然界においては単なる「音」に過ぎない情報も、人間が言葉を理解することで脳内において様々な影響を及ぼすことになる。
例えば、ある人物にとって不快な言葉でも、ある人物には心地よい言葉として感じられたとする。

取り込まれた音声を言葉として認識すると、その言葉が「快」か「不快」というように過去の記憶から判断することになる。
言葉一つとっても、その情報を元に、脳内においては相応の脳内物質が放出されているのである。

つまり、発した言葉によって、脳の中では様々な科学反応が起こっている
のである。

言葉は人間にとって生きる上で大切な情報であり、その情報を元に様々な反応が起こっているのである。
言葉の使い方によっては、交感神経を刺激し、益々骨格上の問題を引き起こしかねない。

逆に患者にとって必要な言葉を投げかけることで、副交感神経が優位に働き、骨格上の様々な問題を改善することも可能となる。
施術家はそのことを常に念頭に置き、「言葉」の威力を、五感を通し活用しなければならない。

③相手を尊重した言葉を使うこと

どのような場合でも敬語を使うように心がけること。

特に高齢者に対して、気軽に「おじいちゃん」、「おばあちゃん」というよ
うな、いわば馴れ馴れしい言葉を使わないように気をつけること。

相手を尊重した言葉使いが大切である。
高齢者だからと言って、誰でもそのような呼び方が気に入っているというわけではない。

年齢について、気にしている患者もいるかもしれない。
相手にとって不快な言葉は避けなければならない。

あくまで相手の立場を尊重し、名前でしっかりと呼ぶことが大切である。

④上からの目線で話さない。

施術家は、相手の健康状態を指導するからと言って、偉いわけではない。
相手が回復法において素人であるからといって、偉そうな態度を取らないこと。

決して威張ったり、立場を利用して偉そうな態度を取ったりすることのないように心がける。
上から目線での言葉は、相手の感情を逆なでするばかりか、信頼や共感と言う情動システムを活用することが出来にくくなる。

必ず、相手の目線になって、それ双方の言葉をかけることに気を配ること。

⑤マイナス表現の言葉を使わない。

よく使われている言葉ではあるが、「・・・しなければだめです」とか、「・・・しないと良くならないですよ。」というような表現は好ましくない。
マイナス表現を使わず、「・・・するともっと良くなります。」とか、「・・・したことは良かったですね。」というように、プラスの表現をなるべく多く活用すること。

⑥専門用語を多用しない。

伝達法では、常に相手の目線で語りかけることを心がける。
施術家にとって説明が楽だからと言って、専門用語や医学用語などを多用して専門家を前面にかざした対応をしないよう心がける。

相手の年齢、性別、職業、立場などを考慮すること。
ただし、若い世代だからと言って、対等の言葉で会話したり、上から目線になったりしないように注意すること。

⑦患者の目を見て会話をすること。

話をする際は、相手の目を見て行うこと。
「目は口ほどにものを言う」という言葉があるように、特に施術家は相手から見て不振な態度に思われぬように配慮すること。

特に次回の施術における予約を提案する際は、必ず相手の目を3秒程度注視すること。
3秒以上やそれ以下では効果がないばかりか、不信感を与えてしまうので注意すること。

言葉と同時に、施術者は自分自身の表情についても鏡や他者を通じて確認をすること。

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