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予約システムカテゴリー
1.回復整体は繰り返しの運動療法/早期回復させる重要事項
2.他の民間療法における次回施術提案の根拠について考察
3.回復整体の次回予約提案は理論に基づく一連のプロセス上にある
4.回復整体で開業することのメリットとデメリット
5.回復整体における次回施術の具体的伝達法
6.整体師は指導者(専門家)である/次回予約のための考え方
7.予約システム(回復カリキュラム)は整体院成功の鍵
8.整体院はチームワークで回復カリキュラム(予約システム)を実行する
9.回復整体予約システム(回復カリキュラム)の理論的考察
10.予約システム(回復カリキュラム作成)まとめ
前の記事「回復整体は繰り返しの運動療法/早期回復させる重要事項」
目次
他の民間療法の次回施術提案の根拠について考察
まず、回復整体での具体的予約方法の説明前に、通常の整体やカイロの施術での次回の予約について考察してみる。
回復整体での施術方法に切り替えられた、元カイロプラクターのA先生(カイロ暦20年)及び、整体師暦13年のN先生、スポーツ整体のT先生にそれぞれ、カイロプラクティック、他流派の整体療法での予約方法についてインタビューした。
■講師
カイロの施術をする際に、施術から次回の施術までの間隔はどのようにしていましたか?また、次回の予約はどのようにしていましたか?
□A先生
私は学校を卒業してから5年ほど先輩の治療院に勤めており、その施術所の予約の取り方を真似していました。
そこでは、新規の新患さんを一回の施術で1時間程みます。
1時間程みて、2回目以降は40分単位で予約を取っていました。
一日の予約人数は時間的に全て埋めても10人前後となりました。
実際の私の施術は治療法も自分なりに変更して、開業してからも少しずつ変えてきました。
なので、ここ数年は40分単位で一人ずつという方針で予約を取っていました。
■講師
その時、40分おきに一日10人の予約として、次回の予約は何日後だったのでしょうか?カイロプラクティックの理論から、症状に応じて次回の予約について考えると思うのですが。
カイロでも整体でも何かそういうようなものがあると思うのですけど?
□A先生
ギックリ腰のような急性の場合は来られる方には翌日に来てもらっていました。
しかし、例えば肩こりや慢性的な腰痛の場合は、最初から週2回ほど施術を受けるように勧めていました。
当時の私には、何故週に2回施術するのかという疑問もありませんでした。
私が勤めていたカイロ院では、「週に2回ずつ来て下さい」というような形で患者さんに指導していました。
私は単純にその方法を取っていたにすぎません。
よく考えると疑問がないこと自体、不自然だったと思います。
それは特別相手の症状をみての判断ではなく、私が学んだカイロでのマニュアル的な漠然とした考え方によるものでした。
■講師
例えば骨格診断があって、話を聞き、その上で、
「この方は施術の間隔を一週間空けてもいいだろう。あるいは、この方の場合は2日後に来るのが適切だろう。」という患者の状況に合わせた見立てではなく、大半の症状において次回予約をその様な方法で取っていたという事ですか?
□A先生
どうしてか分かりませんが、週に2回程度の施術でその方の症状が落ち着いてきたら、「週に1回にしてみましょうか?」というような感じでした。
■講師
N先生は整体師として開業されていましたが、次回の予約についてはどのようにしていたのでしょうか?
●N先生
A先生と基本的に同じような方法で予約を取っていました。
私の場合は40分単位で予約を取りまして、
それで様子を見て週2回の頻度で患者さんに来てもらいました。
また、週3回来れそうということなら、3回来てもらっていました。
■講師
来れそうと言うのはどういう根拠からなのでしょうか?
□N先生
そうですね、その場の雰囲気でしょうか。
本人が週に3回施術に来たいと言ったら、「はい、どうぞ」と漠然と予約を取っていた感じです。
ただし、以前の私の整体療法では、間隔をあけずに施術しないようにしていました。
それは患者に触りすぎてしまうと、良くない結果を招くというのが体験的に分かっていたからです。
■講師
カイロプラクティックでは、アジャストなど、通常の整体ではかなり危険な技もあると聞きますが、そういう技が万が一失敗したりすると危ないということもあるのですか?
「一週間先までできない」と本場(アメリカ)のカイロの先生に聞いた事があるのですが、その様な理由もあるのですか?
●N先生
私の場合、比較的ソフトなテクニックやっておりましたので、そのような事はありませんでした。
■講師
N先生の場合、“ほぐし”という方法で施術をしていたと思うのですが、それでもダメージになることがあるという事でしょうか?
●N先生
そうです。
■講師
A先生にお聞きしたいのですが、40分の施術という時間は、A先生のこれまでのカイロプラクティックの方法では、決められた時間と言うことだったのでしょうか?
もしそうだとすれば、施術時間が40分ということの根拠というのは何なのでしょうか?
□A先生
私の場合、40分の時間配分では、患者さんとゆっくり話をし、患者さんに実際に触れて施術する時間は20分~30分ぐらいでした。
その後アフターフォローなどの時間を含めて全体で40分として施術をしていました。
■講師
その20分とか30分というのは何か理論的な根拠があるわけですか?
□A先生
それはですね、長年の経験でなんとなく、その程度の時間で施術を終了させるという経験からの時間と言うことでしょうか。
■講師
例えば、5分とか10分という短時間で集中して行うということは不可能なのでしょうか?
□A先生
そのような施術が可能な先生もおられましたけど、患者さんとの暗黙の了解と言いますか、施術の満足感と言いますか、時間的な要因も施術に入れてしまうのだと思います。
■講師
はい、よく分かりました。ありがとうございました。
■講師
N先生、先生はいかがですか?
●N先生
はい、私の方はできるだけ施術日の間隔を空けないように、患者さんに“来て頂く”という方法を取っていました。
■講師
「施術日の間隔を空けない」という方法はどのような根拠があったのでしょう?
●N先生
あまり、間隔を空けすぎて施術を行うと、施術した不調箇所が元に戻ってしまう事が考えられたので、そのような方法を取っていました。
■講師
それでは、A先生のように、患者さんに対する一回の施術時間を決めて施術していたのですか?
●N先生
はい、回復整体を学ぶ前には、40~50分かけて施術をしていたと思います。
■講師
では、その40~50分という施術時間の根拠というのは?
●N先生
周りの同業者との兼ね合いみたいな事がありました。
私どもの近隣の整体院などでは、平均して一回の施術時間が40分~60分となんとなく決まっていたのだと思います。
私の整体院だけ極端に施術時間を短くしたら、「あそこは、しっかりみてくれない・・・」と言われるのではないかという事を考えてしまっていたのです。
それである程度、周囲のことを考慮して時間を掛けてやっていたのです。
■講師
要するに、慰安的、リラクゼーション的要素が入っていたという事ですね?
●N先生
はい、今考えると、そのような感覚だったと思います。
■講師
はい、よくわかりました。
では、T先生はいかがでしたか?
○T先生
私の場合は整体師として開業していました。
私はこの業界について、全く右も左も分からない状態でスタートしました。
スポーツと整体を融合させた「他にない」というイメージの整体の施術を行っていました。
施術の対象はほとんどがスポーツ選手でした。
施術の方法は、筋肉をアウターからインナーまで結構伸ばし、施術時間は一時間程度かかりました。
施術をやり過ぎると、次の日身体が「重く」なるので、N先生同様、施術の間隔を空けてきていただくような形でした。
一回の施術時間が1時間で、2、3日経ったらまた来てもらい、それでも不調が取れなければ一日ぐらい空けて、無理にやることも結構ありました。
以上です。
■講師
そうですか、スポーツトレーニングの要素を取り入れて行っていたということですね。
やはり、T先生の方法でも他の先生方同様、特別な根拠があったわけではないということですね。
はい、ご質問にお答えしていただいた先生方、ありがとうございました。
インタビューから考察してみて
上記インタビューから、回復整体以外の他の療術業に携わっておられた先生方の初回以降の施術(予約)に対する考え方がうかがえたのではないだろうか。
次回施術に関する提案について、他の療術に関しては具体的な理論から導き出された内容ではないと推測できる。
もちろん、全ての療術がそうであるとは言い切れないが、予約については少なくとも他流派から参加される先生方の殆どから同様の話がうかがえた。
ここで回復整体の一連の予約システムと比較してみる。
①他の療術の次回施術の提案
施術そのものが、なんとなくの決められた時間で施術をしている。
次回施術までの間隔も、身体の状況を考えての理論的な根拠と言うよりも、なんとなくと言う施術者の感覚的な提案であることが多い。
「身体の状況を考慮して」という考えがあっても、それは身体に体力的な負担をかけないための提案である。
②回復整体の次回施術提案の根拠
施術はあくまで患者の現在の身体の状況を考慮しての時間であり、ほんの数分で終了する場合もある。
次回施術についても、現状の身体の状況を考慮して場合によっては当日に再度行う場合もあれば、翌日、2日目と間隔を詰める場合や、1週間後、10日後と間隔をあけることも想定される。
上記①、②の比較のように、回復整体では根本的に理論的根拠の上で次回以降の施術の提案を行っている。
その提案が適切であれば回復も最短となる。
施術者の「なんとなく」という曖昧な感覚的情報ではなく、理論に裏打ちされた情報を元に相手に適切な提案が出来る。
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