私たちの整体は整体と言っていますが、本当は整体ではありません。
一般的にわかりやすいように、やむを得ず?整体という言葉を使っています。
私たちも他の整体流派の技術をいくつか学んできたのでわかるのですが、一般的な整体は「型」があります。
過去に学んだ整体では一通りの流れがあって、順番通りに技を繰り返していきます。
その流れの中で対応できる症状であれば腰痛、肩こりなどが改善するというものでした。
しかし、決められた流れに従って施術をしても改善できない症状がたくさん出てきます。
そうなるともうお手上げでした。
例えば、施術が終わっても「まだ膝が痛い」としても次に打つ手がないのです。
また、こうした「型」があり流れにしたがって行う整体は施術者本位で相手に何かをしてもらう、行動してもらうということができません。
常に不調者は受け身となります。
私たちが指導していることは全く違う方法です。
「型」だけ行えばよいという方法は存在しません。
かならず、骨格問診、骨格検査、骨格診断という方法を経て、
対応した技術をあてはめ検証し原因をつきとめていきます。
原因がわかると、相手の身体の癖を直していきます。
本当は治す・・・とはちがうんですね。
「治す」と違うのは身体の病気や症状を治すわけではないからです。
フォームを直す、正しい姿勢に直す、癖を直す。
癖とは繰り返しの習慣の事です。
これを直すのです。
これと同じです。
痛みや身体の不具合は脳の誤作動が原因で発生していると考える。
なので、癖となった間違った動作を直すこと。
習慣を直すために、正しい動作を繰り返し行う。
このことはスポーツで考えてみるとわかりやすい。
各競技に対応した動作を繰り返して能力を上げる。
野球でもテニスでも、ゴルフでも、各用具の素振りを何度も繰り返して考えなくてもボールをとらえることができるように訓練します。
私もゴルフのスイングを直すためにコーチングを受けたことがあります。
グリップをこうして握って、目線はこうで、こんなように腕を上げて・・・
というように間違ったフォームをコーチが正してくれます。
指導を受けた動作を繰り返していくうちに、正しいフォームが身についていきます。
悪かったフォームが考えなくても正しいフォームになります。
正しいフォームがみについてくると、初心者の時のように考えなくても、自動的にそのフォームがとれるようになります。
そのようにゴルフが上達していくわけです。
フォームは直すのであって、治しているわけではありません。
私たちが提供している技術は姿勢やフォームを直すことです。
腰痛、股関節痛、四十肩等々、様々な症状について症状を見ているのではなくて、本来の正しい姿勢や動作と比較してどの動作が正常ではないのか?
ということを発見して、正しく動作できるにはどんな方法が必要なのかを考えていくことなのです。
ゴルフでボールが左に曲がって飛んでしてしまう場合は、カーブしないようなフォームに繰り返しの練習で直していくのと全く同じことです。
日常の動作で腰が痛くなると言うのであれば、その動作を観察して、腰痛になる間違った動作を見つけていきます。
更に間違った動作を正す方法を提案し、相手の脳(心の脳と身体の脳)に働きかけていきます。
間違った動作が修正されると、即座に痛みや不具合がなくなる。
痛みがなくなる・・・治療結果?
と思われがちですが違うのです。
医療行為の結果と似ていますが治療ではありません。
日常生活の間違った身体の使い方(フォーム)を直した結果なのですね。
いわば、私たちはコーチングをしているわけです。
相手にも協力してもらわないと、フォームを直すことはできません。
コーチとの共同作業です。
相手の心と身体に対して、間違った動作をやめてもらえるように情報を提供する仕事です。
なので正確にはスポーツなどと同じ「コーチ」に等しい仕事です。
このことを理解していただくのが一番難しいことかもしれません。
特に療術というカテゴリーから参加された方は、過去の情報にとらわれてなかなか素で見ることが難しいのです。
「軽く触れただけで痛みがとれる」
「軽く揺らしただけで動かなかった関節が動くようになる」
「一瞬触っただけで背骨が真っ直ぐになる」
こうした現象に対して今までの基準で対応しようとします。
すると考えすぎてしまい、行動が鈍くなります。
「この現象は〇〇的にいうと骨格がこうなっていて、神経がこうなっているから・・・・」
簡単なことを難しく考える習慣が身についているので、簡単に説明しただけでは納得してもらえません。
まぁ、これまでプロとして他の整体や民間療法で何年もその仕事で生計を立てていた方の気持ちとしては無理もないことなのですが・・・
回復整体を学ぶため、乗り越えなくてはならない壁のようなものかもしれません。
また、男性はこの傾向があります。
簡単なことをあえて難しく説明すると納得してくれます。
本当はそのまま見て、そのまま行動してもらえれば、上達が速いのですが・・・
その逆で素人から参加された方は、他の情報が少ないですから学んだことをあれこれ考えずに実行します。
すると結果が出る。
結果が出ると面白くなって更にやる気が出る。
素人からの参加でも更に上達するのが女性です。
自分の学んだ技術で結果が出ると、直ぐに感動します。
練習で家族に施術をして結果が出ると、
「やった!」「憂いしい!」「私って凄い!」
そんなように感動します。
感動した姿を見た周囲の人がまた感動する。
女性はこの流れをつくるのがとても上手です。
こうしたことは学院を立ち上げてからこれまで、全く変わらず感じていることです。
なので、私たちの技術を学ぶ際、過去の情報を遮断し、過去のフィルターを通して考えることはやめましょうとお伝えしています。
これがこの記事のタイトル、
「素で見て、素で感じて、素で行動してみる」
ということなのです。
私を含めなんでも難しく考えてしまう癖のある男性は是非、女性や子供たちを参考に簡単に考える癖をつけることだと思いました。