③足関節回転回復法(足の疲労解消)

このページは以下の回復整体基礎理論①~⑥の説明中の技法です。応用技法として単体でも活用可能ですが、基礎理論説明と合わせて活用ください。(この技法自体は回復基礎理論⑥からリンクされています。)

回復整体基礎理論①(身体の歪みを解消する仕組み)

回復整体基礎理論②(対症療法と原因療法)

回復整体基礎理論③(身体と脳(心)の関係)

回復整体基礎理論④(呼吸運動理論)

回復整体基礎理論⑤(可動範囲と程度と加減)

回復整体基礎理論⑥(標準アプローチ法技術解説)


③足関節回転回復法

足関節回転回復法は、足首を相手の可動域を阻害しない範囲で行うことにより、足首関節、膝関節、股関節、仙腸関節等、身体中の全ての関節、筋肉に影響を与える技法である。
関節に対し、通常の牽引では筋肉に対し縦にしか行えない牽引を回転を掛けることにより様々な方向性に筋肉に牽引を掛けることが可能になる。

また、股関節の骨頭は回転に対しては最も動作しやすい形状をしている。
足関節回転回復法をおこなうことで、身体中の様々な筋肉の緊張が取れる。

そして足関節に回転を掛けることにより、滞った血流や老廃物の早期除去にも有効である。
症状としては、身体全体の歪み、疲労回復、冷え、ヘルニア予備軍、静止状態での腰背部痛、股関節及び足首関節の動作の不具合、脹脛(ふくらはぎ)の強張り、大臀筋、足全体の緊張など様々な症状に有効である。

以下、足関節回転回復法の手順と注意事項を述べる。

ア)痛みのある側から始め、その反対側、更に痛い側に戻って終了となる。

イ)開始する側の足関節に最も近づいた位置に体勢を置く。

ウ)吸気で足関節を内側から保持し持ち上げる。

エ)施術者側から見て相手の上方に位置する側の膝を床と足関節の隙間にそっと差し入れる。

オ)優しく、施術者の膝の上に相手の足関節を置き、施術者からみて上方側の掌を足首関節に掛からない踝より少し上方に置き、施術者の膝と手の平で足を挟み込むように保持する。決して相手の足首を握りこまないように。

カ)呼気にて足に体重を掛けると同時に保持した足関節を施術者の膝を下方に牽引を掛ける。

キ)牽引を掛けたことにより、相手の頭が動くことを確認する。頭が動かない場合は、牽引が弱いということである。

ク)十分に牽引が掛かったことを確認した後、施術者から見て下方側の掌全体で相手の足の平を包み込み、握りこまないようにして内回転10回、外回転10回、最後に内回転を10回で終了、先程とは逆の順で足を戻していく。牽引を解き、戻す際の呼吸は呼気で戻す。

ケ)足関節の回転は優しく、ゆっくりとリズミカルに相手の可動域にあわせ、できるだけ大きく跳ね上げるように行うこと。

コ)足関節の回転中、頭の先から身体全体が緩やかに揺れ動くことを確認する。揺れ動きがない場合は、回転が不十分ということである。

サ)相手にとって、回転させる掌の位置は足の指の方ではなく、土踏まずに近い方が痛みや違和感が出ない。

シ)施術者の掌が相手の足の平に比べて小さく、保持できにくく不安定であれば母指丘を掌中心部で包み込むように保持すると回転しやすくなる。

ス)足関節の回転中、関節内から音がしたり不自然な動きがあっても痛みがなければそのまま続けても良い。回転が進むと、筋肉の緊張が解消し徐々に音がしなくなり足関節の可動域が広がってくる。

セ)足関節回転回復法が全て終了した後、相手が訴えていた症状と回復法を掛けたことによる結果を必ず問診すること。

施術者の身体を近づけて回復を掛ける位置を決める。

痛い側からはじめる。開始する足になるべく施術者の身体を近づけて回復を掛ける位置を決める。その後図のように吸気にて足を持ち上げる。

相手の足を乗せ、掌と膝で挟み込むように固定する

施術者の膝上に相手の足を乗せ、掌と膝で挟み込むように固定する。
その後、呼気で施術者の膝を下方にずらすことにより牽引を掛ける。
同時に牽引が解けないように注意しながら足関節を内回転、外回転、
内回転の順に回転させる。

足を置き、両掌で固定し、矢印の方向に相手の足を乗 せる。

黒○印の位置に足を置き、両掌で固定し、矢印の方向に相手の足を乗せる。施術者の体勢は図のように片足を立てるか、または正座でも良い。

膝をずらして牽引を掛ける

施術者の膝の上に相手の足を固定させると同時に、図のように膝を下方にずらして牽引を掛ける。このとき、牽引が解けないように注意する。

足関節の回転中、頭の先から身体全体が緩やかに揺れ動くことを確認する。


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