基本腰痛アプローチ法<腰部前屈痛骨格検査法>

目次

基本腰痛アプローチ法<腰部前屈痛骨格検査法>

この技法プログラムは立位にて腰を前屈させたときだけ痛みや不具合が発症するという、限定された腰痛の対応方法を「基本腰痛アプローチ法その1<骨格検査法>」として説明しています。

腰痛にもさまざまな種類があります。後屈、側屈、外旋して痛みや不具合が出る場合の対応方法もあります。

(検査のポイント等、他の腰痛回復法と共通事項もあります。他の腰痛技法についてはそれぞれの解説ページを参照ください。)

腰痛の施術の流れ

腰部骨格検査・診断の流れ<マインドマップ>

(下記画像をクリックすると拡大されます)

腰部骨格診断の流れマインドマップ

  • 上記マインドマップを参考に、腰部の骨格の状態を把握する。
  • 骨格診断後、それぞれ骨格の状態により、前屈、後屈、側屈、捻り、股関節、激痛、弛緩、疲労の各アプローチ(基本パターン)に当てはめる。
  • 基本パターンで施術を行って、骨格の状態が改善されない場合は、その技法を省いて各関節の状態を推理して技法を当てはめる。
  • 基本パターンが全てではなく、骨格診断の指針となるように活用すること。
  • 歪みを解消する標準アプローチ法の一部を組み合わせても可能であり、関節単体の応用技法を組み合わせることも、必要に応じて行うこと。
  • 今後の骨格診断において、当てはめた技法を更にパターン化することが大切である。
  • 基本パターンから、更に応用のパターンとして各自臨床の現場で活用し、再現性のある方法を開発すること。

立位での検査法基本的な確認方法

60センチ程の板を活用し、捻じれや歪みの確認を行う方法。

ASIS及び、骨盤の上下のズレを確認。

骨格問診により、症状との関連を推理する。

 

立位での検査法その1

1.施術前の状態と、施術後の状態では、痛みの発生する角度や方向性が違う。

2.前屈で痛みが出る場合の殆どが背中側の筋群の緊張によるものが多い。

3.背中側の筋群の問題として、腰部のみならず他の部位の筋の緊張も推測し、その後の施術に役立てるようにしておく。

4.それぞれの位置で原因(使われる筋群、関節の連動)が違うことを理解する。

5.施術後、僅かでも前屈ができれば、回復していることを理解する。

6.施術の後、痛む角度が変われば、更に深く骨格診断を行うこと。

7.前屈での骨格の乱れは、基本的に身体を反らせる技法の組合せで殆どが解消する。

 

立位での検査法その2

 

立位での検査法その2

  1. 施術の前後で前屈の角度を確認する。
  2. 施術後の骨格検査で、前屈の角度に変化のある場合、必ず指摘して説明する。
  3. 角度が解消されても、痛みが残る場合、腰部のみに原因を特定しない。
  4. 基本腰部痛回復法を行った後、残る骨格の問題は、頸堆、膝、足首の可動を疑ってみる。

腰部前屈痛の検査のポイント①(他の腰痛骨格検査共通事項)

腰部痛の検査にあたっては、腰部のみならず全身、特に脊柱の性質を良く観察すること。

筋と関節の位置関係を解剖学的に把握し、各部の骨(椎骨含む)のそれぞれの固有の形状、棘突起、横突起、また、通常あるべき位置以外に関節が変位しているような場合、隣接の関節との矛盾や形式を念頭に置き、周辺の神経や交感神経、副交感神経との関わりを意識して観察すること。

また、腰部の痛みにばかりに意識が向いてしまい、木を見て森を見ずではないが、全身の状態、特に生理彎曲(正常彎曲)を見逃さないこと。

一部の痛みが、全身に影響を及ぼしていることが多々あることを念頭に置くこと。

腰部前屈痛の検査のポイント②(他の腰痛骨格検査共通事項)

 

腰部前屈痛の検査のポイント②

  • 現状の骨格の状態を把握する。
  • 生理彎曲が正常であるか、脊柱において椎体の変位がないか、僅かな差であっても、ノートに記載しておく。
  • これらは施術後の双方の確認において重要な意味を持つ。また、多角的に良く観察することも重要である。
  • 立位、座位、仰臥位、伏臥位、その他不調者が訴えるあらゆる姿勢により、その位置での骨格の状態も、常に把握できるように骨格検査を行う際、習慣とすることが大切である。
  • 皮膚の下の骨格を頭の中で映像化して内側の骨格の状態を推理できるようにする。
  • ある姿勢(角度)で異常が見受けられなくても他の姿勢(角度)では全く違う検査結果が出ることも多い。

腰部前屈痛の検査のポイント③(他の腰痛骨格検査共通事項)

腰部前屈痛の検査のポイント③

  • 骨格の状態から筋の状態を推測する。
  • 筋の状態から骨格を推測する。脊柱の変位がないか?全体から単体へ。
  • 棘突起、横突起の位置関係は?
  • 椎間板の状態は?
  • 骨盤のそれぞれの位置においての変位はどうか?
  • 骨格問診から導いた、基本技法のパターンから、椎間板の劣化収縮の程度はどの程度推測できるか?
  • 骨格検査により、導き出した結果から、単体の状態をより深く推測する。
  • 変位のある部位において神経の分布を考え原因を把握する。
  • 腰部痛において、神経がどのような部位に対して分布しているのか、そのときの椎体の変位や筋肉の状態はどうなのか?この事実を把握するだけで、組合せの技法は既に決まっている。

腰部前屈痛の検査のポイント④(他の腰痛骨格検査共通事項)

 

腰部前屈痛の検査のポイント⑤

  • 全体の筋群から、部分へ、そして内部の筋群へ。
  • 骨格検査から、各筋群の状態を知る。
  • 各筋群の状態から骨格、関節の状態を知る。
  • 拮抗する筋群にどのような影響を与えているか?
  • 小さな筋群に与える影響はあるか?
  • 例え、不具合が腰部に出ていても内部の筋群へ影響しているかも?

腰部前屈痛の骨格診断ポイント①(他の腰痛骨格診断共通事項)

これま説明した「骨格検査」より導かれた結果から、「骨格診断」を行い対応する技法をあてはめ施術していく。
腰部前屈痛の改善方法は、背部の緊張を最も考慮して行うことである。
関係筋群は牽引をかけて解消する場合と、弛緩させて解消したほうが有効な場合もある事を考慮する。
また、仰臥位、伏臥位での椎間板の状態も考慮して行うことで相乗効果がある。
前屈する際、動員されるあらゆる筋群(関節)において、脳の反応がどのように行われているか、相手の動作と骨格問診から導き出されたヒントを元にパターン化された技法の組合せを骨格診断を行いながら施術をしていく。
その際、程度と加減の法則、呼吸法、相手の訴えを良く聞いて無理のないように行うこと。
腰部前屈痛回復法の組み合わせないにおいて、必要のないと思われる技法は省いてもかまわない。
組合せにおいて、問題があると判断すれば、これまでの応用技法を取り入れながら状態を判断すること。

腰部前屈痛の骨格診断ポイント②(前屈の動作に抵抗を与える筋群の確認)

  • 正常であれば、腰部だけではなく足首、背部、頸堆等の前屈動作の際、本来遠心性収縮をしながら状態が前屈できるように、脳がコントロールしている。
  • しかし、何らかの原因で前屈する際にこれらの関係する筋群が不必要な筋の緊張を学習することで前屈動作を阻害していると推測する。
  • すなわち、上記の部位に関してのいずれかが、コントロールを失っているため、問題が発生している。
  • この場合、腰部だけの問題にとらわれず、多角的に判断する。
  • 骨格の問題が発生する場合、身体を前面、後面と分けて考える。
  • 前屈して骨格上の問題から不具合が出る場合(前屈の角度が浅い等)背中側の筋群に問題があると推測する。
  • 基本的に前屈すると不具合が発生し、後屈したほうが安定する(楽になる)場合。
  • 腰部前屈痛の改善方法は、背部の緊張を最も考慮して行うことである。
  • 関係筋群は牽引をかけて解消する場合と、弛緩させて解消したほうが有効な場合もある事を考慮する。
  • また、仰臥位、伏臥位での椎間板の状態も考慮して行うことで相乗効果がある。
  • 前屈する際、動員されるあらゆる筋群(関節)において、脳の反応がどのように行われているか、相手の動作と骨格問診から導き出されたヒントを元にパターン化された技法の組合せを骨格診断を行いながら施術をしていく。
  • その際、程度と加減の法則、呼吸法、相手の訴えを良く聞いて無理のないように行うこと。
  • 腰部前屈痛回復法の組み合わせないにおいて、必要のないと思われる技法は省いてもかまわない。
  • 組合せにおいて、問題があると判断すれば、これまでの応用技法を取り入れながら状態を判断すること。

 

次の記事「基本腰痛アプローチ法<腰部前屈痛伏臥位両下肢牽引>」


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