回復整体・経営・伝達(コミュニケーション)プログラム
前回の記事「整体師はどんなときも患者さんに合わせることが必要」
目次
■患者さんがあなたの施術を受ける基準とは
■価格が安いから施術にくるのではない
■価格が安いということは、技術に自信がない
1.施術家(治療家)としての覚悟を持つ
これは整体師にとって最も大切なことです。
自分の覚悟が決まらなければ、相手に自身の施術が本当に良いとは言えません。
何回も言っているようにこの療法を信じる必要はありません。
信じるという言葉は、疑心の証拠です。
自分が男である、女であるということを信じないのと同じようにこれは事実です。
科学反応や自然現象と同じように知っているということです。
「水を沸かせばお湯になる」ということを、ガスに水をかけて「これがお湯になると僕は信じている。」とは言わないでしょう。
信じるということではなくて、これを使って仕事をするという覚悟です。
2.患者さんがあなたの施術を受ける基準・・・信頼
第一に信頼がなければ患者さんは来ません。
やはり安心して行くことができ、不安があっても解消してもらえる所なのだという認識が一番大事です。
何をされるのか分からない、何か怖いなと思った瞬間に体はぐにゃっと曲がってしまいます。
「あそこは何をやっているのかわからない。いかがわしいな。」「独身の男性一人でやっているみたいよ。」というだけで来なくなることもあれば、逆に、施術所の雰囲気やチラシ、宣伝によって「なんか行きたいなあ。」と思わせるだけで相手は期待しているということですから、それだけで身体が楽になることもあります。
汚いチラシを作るとそれを目にしただけで「なんか行きたくないなあ。」と感じ、不快な症状が出てしまいます。
先程「良くならない」あるいは「こうしないと良くなりませんよ。」と言っただけで、相手は敏感に反応して不快になるという言葉の与える影響について述べましたが、それと同じです。
あらゆる所で安心と安全を心がけることです。
それが信頼です。
施術技術に対する信頼(危険が無いという事実があること)も重要です。
これは評判により得られます。
口コミや地域の評判で、「あそこは何かゆらゆらってやるだけで全然痛くないよ。」「危険じゃないよ。」と思われることです。
少しでも痛いことをやったら、安全な技術があるという信頼は得られません。
3.患者さんがあなたの施術を受ける基準・・・施術料金が見合っているか
上記の信頼という条件を満たした上で、この対価と自分の体を見てもらうことが合うかどうかということが、患者さんがあなたの施術を受ける基準になります。
患者さんはいくら安くても怖かったり痛かったりしたら来ませんし、どんなに良い技術でも1回10万円では誰も来ません。
不安がなく信頼があり、社会通念上の施術料金であれば、相手が文句を言ってくるようなことはありません。
とはいえ、価格が安いから施術にくるのではありません。
料金が安い方がいいということが療術の先生方に根付いているようですが、価格で競争する程馬鹿なことはないでしょう。
いつだったかある講師の施術所の近くに、10分1,000円の整体ができたことがありました。
それを売りに看板にも大きく書いてありましたが、半年持ちませんでした。
ある講師はその目と鼻の先で、6,000円でやっていたのですが、影響はなかったそうです。
私たちも、数十年前に3,000円から始めて6,000円に上げました。
これだけは言えますが、価格が上がれば健康に対する意識の高い方が来られます。
おそらく1,000円でやれば、安いから来たという意識の低い人がたくさん来るでしょう。
安価な料金は、意識の低い人間を集めます。
すると予約を守らず、規律が乱れます。
「来てやってもいいな。」「まあ時間が空いているから。」というような言い方をします。
要するに私たちを技術者や指導者という目線で見ずに、頭を下げてやるサービス業者としてみて、自分の方が上だと思っているのです。
学校も同じで、荒れた学校の生徒は教師の言うことを聞きませんからますます乱れますし、本当にエリートと言われるような学校の生徒は意識が高く、教師の言うことを聞くものです。
そもそも自分の技術、理論に誇りがあれば、安売りはできないのではないでしょうか。
どこに行っても痛みがとれなかったような人の痛みをとるのに、評判が悪い1,000円の整体と同じ料金でやるのはおかしいでしょう。
技術に比例して、値段は変わるはずです。
例えば先生方が大富豪だとして、社会的責任はすべてクリアし、他の事で自分の人生を歩みたいという場合はもちろん別です。
施術料をただにして、施術をする目的を他の事にすればそれで構いません。
相手もそのつもりで来ます。
ただしこれを生業にする場合、自分が経済的に独立する意味でもやっているのですから、ボランティアではないのでお金をもらわなければ仕事とは言えません。
綺麗事をいう方は、自分が他で収入を得てこの仕事をやってください。
この技術に誇りを持ってやる場合は、安売りできないはずです。
例えばオスグットと言って子供を連れて来る人がいたとします。
大病院でオスグットの専門家がいたとしたら、いろいろなところで研究を積み、多額のお金をかけ、国の補助を受けて一人前になり、病院全体で見たら検査機器も高いでしょう。
その現代医学の最高峰を持ってしてもその症状がとれなかったのに、それを先生方が自費で開業してここで学び、1回、2回でオスグット病の痛みを全部取ることができたのならば、資格の問題ではなく、その症状自体を取ったということに関しては先生方の方が上であると言えます。
ならば何十億円、何百億円の検査機器よりも、この腕で痛みをとったということの方に価値があります。
その事実に対しては誇りを持たなければなりません。
その事実があった上で自分の技術に値段がつけられるとしたら、本当は10万円でも百万円でもいいのです。
一生困るような症状が取れたら、お金にはかえられないでしょう。
社会的な価値判断で見ても、5,000円、6,000円もらっても何のことはありません。
だから1,000円、2,000円という値段設定ではおかしいのです。
逆の見方をすれば、価格が安いということは技術に自信がないということです。
自分自身、まだどこかに不安があるということです。
施術者に不安があれば技術に反映してしまいます。
チラシにおいても「このチラシを持ってきたら千円引き」というものが多いのですが、それもやめた方がいいでしょう。
学校の生徒が「先生、千円あげるから僕をひいきにして。」と言うでしょうか?
割引は自分からそういうことをしているようなものです。
割引というのは技術の安売りです。
もちろん最初にキャンペーンを仕掛ける場合は、まずは地域の人に知ってもらわなければなりませんので別です。
しかし、それを時々やるということは自分の技術に自信がないということです。
結局自分の首をしめてしまうことになります。
技術力のある商品やブランド力のある商品はほとんど値下げしないでしょう。
例えば、フェラーリは発注してから2、3年待たなければいけないほどのブランド力がありますので、値下げは絶対にしません。
先生方自身も自分の技術にブランド力をつけなければいけません。
それにはまず自分の覚悟と意識を持つことです。
地域により価格設定に差はありますが、質の高い技術を提供するためにも価格の設定は非常に重要です。
4.施術料金は相手が決めるものではない。
施術家が患者さんに「いくらがいいでしょうか。」と聞くことはありませんし、どんな人も安い方がいいのは当たり前です。
施術技術があるかないかは、口コミや評判で患者さんが判断することですが、価格は経営者として自分自身が決めるものです。
成功している整体院は料金が安いから繁盛しているのでしょうか?
むしろ逆です。例え一般的に高い料金体制であっても、繁盛しているところは繁盛しています。
高度な技術に支えられていることもあるでしょう。しかし、どんなに技術が高度でも繁盛していない整体院もたくさんあります。
自分の仕事に誇りを持ち、高度な技術はあって当たり前のように考え常に勉強する。
その上で経営する整体院にブランド力を持たせることです。ユニーク整体師になることでです。
私たちは独自性のある整体院の経営をすることで、経営者自身が価値を見出し価格に反映させることを良しとします。
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