整体院が成功するためには女性を取り込む努力を

回復整体・経営・伝達(コミュニケーション)プログラム

前回の記事はこちら「整体師は何事も謙虚に学びの場と考える」

目次

■殆どの施術所では女性が7~ 8割を占める
■家族の中心は女性(主婦)である
■女性の対応がお粗末だと・・・
■女性に対するリスク管理をすること


1.殆どの施術所で女性が7~8割を占める理由

私たちの経験からも開業している先生方の実態から見ても、いらっしゃる方の7割から8割は女性です。

なぜ女性が多いかというと、男性と女性では育てられ方に違いがあるからです。

男性は特に小さい時からしつけの中で「少しぐらい痛くてもがまんしなさい。」というように、痛みを我慢することを覚えて成長していきます。

女性の場合はどちらかというと「大丈夫?」という風に接して育てられます。

 

また脳の生理学の「おばあさん理論」によると、女性は特に健康や実際の生活に関する知識を先祖代々受け継いでいくために、閉経後も長生きしているそうです。

そういう意味で女性の方が健康に対して敏感に気付くことが多いのです。

早めに痛みに対処するというか、女性と男性では女性の方が圧倒的に痛みに耐える強さがあります。

2.家族の中心である女性から

お母さんは一家の太陽のようなものです。

誰に教えられたわけでもなく、自然にご主人や子供を見ています。

それが「おばあさん理論」で述べられていることでないかという気がします。

人類がこれだけ地球上に広まったことも女性が家族の健康を常々見ていたからだという見方もあるように、女性、特に主婦の方が来ると口コミも一気に広がります。

 

まず自分が良くなると、最初の口コミのパターンとして家族を紹介し、次に「うちの主人が・・」「うちのおばあちゃんが・・・」などと他人に話すことで口コミのネットワークが繋がっていきます。

ですから、女性だけということではありませんが、女性をまず中心として取り込む努力を最大限していくことが大事です。

3.女性が来院しやすい施術所

明るく清潔感がある施術所には女性も来院しやすくなります。

暗い所は本当に嫌がられます。

また、男性一人だけの施術所で入り口が一つしかなく、奥は逃げ場がないような閉鎖的な空間にも不安を覚えるでしょう。

その上身なりの悪い先生がそこで施術していたら、それだけで女性の不調者さんを逃がしてしまいます。

いかにもむさ苦しいひげをはやし、清潔感がないメタボの中年のおじさんがタバコを吸いながらやっているような所に行きたいと思うでしょうか。

その地域にもっと綺麗で女性客の多い所があったら、どちらに行くでしょう。

 

しかし前者のような店が多いのが現実です。

自己中心的で、相手から自分がどう見られているかという目線で見ていない人が多いのです。

女性の目で自分のことを見てもらい、欠点やマイナス点を全部挙げてもらい、プラスにしていきましょう。

10名程の女性に第三者の目で見てもらい、自分がどう映っているかを知ることはとても大切です。

 

また、圧倒的に来客する率の多い50代、60代、70代くらいの女性はよく喋る方が多いので、そういう年代の方の話をしっかりして聞いてあげましょう。

「聞いてくれる」というだけで、五感の作用で、耳から入る情報が相手を和らげるので、聞くことも触れること以上に大事なことだと思ってください。

そのためには、自分が女性と対応するためのあらゆる情報を得なければいけません。

特に男性の先生は、これを徹底的にやる必要があります。

4.女性に嫌われる応答とは

女性に一番嫌われる応答は、理屈っぽく、くどくどと話すことです。

理論を話すのがいけないのではなく、理論はしっかりと頭の中に入れて、体でも言葉でも表現できるように落とし込まなければいけません。

理論はインプットすべきですが、アウトプットの仕方は相手に合わせて変えましょう。

理屈っぽいことが好きな人には、理屈を言わなければいけません。

男性は特に理屈が好きで、順序と理論がしっかり聞けないとその施術を受け入れないという人がいます。
逆に、「なんとなくそういう理屈で楽になった」ということしか知らなくていい人に、理屈好きな男性向きの話をしても伝わりません。

インプットした理論を女性向きに表現するには、例え話や「こういう時がありますよね。」と相手に合わせた説明が出来なければいけないということです。

その区別がちゃんとできている先生は、だいたいどの手法でもうまくいっています。

加えて、無神経な人はうまくいきません。

思いやりがないということです。

 

女性はよく「なんでそんなこと言うの?」と思うことがあります。

例えば、女性が気にしていることを気付かずにずけずけと言ってしまったり、マイナス表現を使ってしまったり、無神経な表現をしたりしても嫌われます。

一生懸命説明しようとして空回りし、その人の本心が見えなくなってしまうのです。

例えば自分のことを若いと思っている人に「年齢より年取って見えますね。」と言ってしまったり、踊りをやっていて姿勢に自信がある人に「体の歪みが原因ですよ。」と言ってしまったり、事実であっても自尊心を傷つけてしまうと、痛みがとれても来なくなってしまうこともあります。

 

このような時は「そうですね。」と相槌をうつだけにし、「それくらいの年齢の方に比べたら、すごく綺麗な体をしているよ。でも多分ここが痛いから、こうしたらもっとピシッと見えるよ。」という風に言い方を工夫することで、相手の気分が良くなり、緊張が解けた方が歪みがとれるのです。

実際の施術はもちろん大事ですが、施術時の会話も大切にしてください。

自分ではなかなか気づかないことも多いので、最初の一年間は感性が鋭くよく気がつく人に、自分の施術所の待合室で不調者の振りをしてもらったり、奥にいて声だけ聞いてもらったりして、客観的な意見を言ってもらいましょう。

 

自分と相手がどういう会話をしているか聞いてもらい、不快感を与えた言動など気づいたことを言ってもらってください。

そしてそれを絶対否定しないでください。

「私はそういうつもりで言ったんじゃない。」と反論したくなるかもしれませんが、自分の意図ではなく他人にどうとられたかという問題なのです。

1人だけでなく、5人10人の他人に同じことをしてもらい、自分が相手に対して発したマイナスの言葉や、五感から不快に受け取られる態度や仕草などをチェックしてもらい、リストにして改善していく努力をしてください。

 

最初は演技でもいいので、自分をイメージし作っていくということが大切です。

それが完璧にできなくても、チームを作ることで自分の欠けている部分を補うこともできます。

ついきついことを言ってしまうのなら、側に奥さんや女性スタッフを置いて「先生こう言ったけど、本当は心配して言っているんだよ。」などと和らげてもらうとメリハリができ、相乗効果でいい施術効果が期待できます。

自分を良く知ることで、自分の演出の仕方がわかるのです。

 

テレビでよく見る料理研究家の話ですが、本当は引っ込み思案なので、テレビに出るために自分を鼓舞してくれるスタッフをつけ、自分を演出して気分を盛り上げて収録に臨むそうです。

今まで述べたことを全てやれとはいいませんが、自分なりに取り込みながら自分のカラーでいろいろと試してみてください。

同じようにやってうまくいかなかったら、そこから自分のやり方を作っていけばいいのです。

5.女性への施術の仕方

私は元警察官だったので、同期の刑事に「セクハラで整体院が訴えられている事案があるのだけど、いろいろと教えてほしい。」と参考の電話をもらったことがありました。

やはり子宮筋腫の施術をするというのです。

勘違いされるようなことを意図的にやったのかどうかわかりませんが、そういう訴えがあったそうです。

最近は女性が男性に訴えられるということもありますが、男性は特に注意が必要です。

例えば胸が大きい方は、こちらが意識していなくてもためらいます。

 

触れる部位に問題があるのなら、「今ここが痛いでしょうから、こうします。今みたいにこうしてください。」としっかり説明し、対象の部位をご本人に指先や手のひらで触れてもらい、その上に施術者が手を置けば何も問題ありません。

こうした工夫も必要です。

迷いがあるような触り方をすれば、逆にセクハラ行為だと思われます。

日頃から毅然とした態度をとってください。

10年も20年もやっているような顔をして演じましょう。

 

時間や期間ではありません。

10年で5000人の体しか触っていない先生と数年で5000人見た先生では、後者の方が優秀です。

経験が浅いなどと言わせず、数年でそれだけやったのならば自信を持たなければいけません。

また「先生は50代60代の女性と、20代や30代前半の女性のときとでは態度が違います。」と言われることがあるかもしれませんが、態度が違うのは当たり前です。

男性と女性ではすべき対応が違うだろうし、若い子とおばあさんでも違うでしょう。

若い子ならチヤホヤされたい意識があるだろうから、その人が喜ぶ対応をしますが、それを他人が見て過剰に思われることは困ります。

世間一般的な対応の違いならいいのです。

 

次回の記事 「整体院は地域性を把握すること その1「不調者マップ」 」


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