⑩顔面軽擦回復法/顔面・顎関節・頭部周辺 ※ タオル使用(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

他のCTC技法解説は以下を参照ください。

回復整体における「骨盤調整法」コアテクニック技法理論解説

①三点軽圧回復整体(伏臥位コアテクニック回復整体手順解説~うつぶせ~)

②開脚骨盤調整回法/足首ゆらし(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

③開脚運動回復整体/腰・肩・上腕・首(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

④伏臥位両下肢ゆらし回復整体(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

⑤腰背部膝入れゆらし回復整体(仰臥位コアテクニック回復整体手順~仰向け~)

⑥手組ゆらし運動回復法(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

⑦膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法 ※ 快福枕使用(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

⑧手組挙上ゆらし回復法(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

⑨頚椎ゆらし微圧回復法/頚椎・額関節各周辺 ※ 快福枕使用(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)


2.仰臥位コアテクニック回復整体手順(仰向)

⑩顔面軽擦回復法(顔面・顎関節・頭部周辺) ※ タオル使用

(「顔面軽擦回復法」は11分10秒から)

顔面軽圧回復法は顔面周辺の様々な筋肉の緊張を解消する手法である。
顔面の筋肉であっても全ては連動して機能するように相互補完的になっている。
全身の筋肉にも同様のことが言えるが、ある筋肉が緊張すれば別の筋肉が弛緩するようになっている。

身体各部位の骨格筋それ自体には弛緩する働きはない。
必ず拮抗する筋肉が緊張することでその反対の筋肉が弛緩するように機能している。

顔面の筋肉でいえば、笑ったり、怒ったり、あくびをしたり、喋ったり、食物を食べたりとこれは全て顔面の周辺の各筋肉が連動して行っている。
顔面の筋肉の緊張がそのまま弛緩せず、緊張状態が続くと、様々な健康上の諸問題が発生してくる。

例えば、何か心理的なストレスがあると、顔面の筋肉が他の表情を作らず、眉間に皺(しわ)を寄せ、口を硬く閉ざしている状態が常時続く。

すると口が開かなくなったり、歯が痛くなったり、視力が低下したりと問題が発生してくる。

 

最近では、パソコンでの事務作業、携帯電話、携帯ゲーム、等を長時間活用する機会が増えている。
そのため、画面の一点を注視するような顔面の筋肉が一定の動作しかせず、連動した顔面の筋肉を使わないケースが増えている。
また、症状だけではなく、顔面の筋肉の緊張が長期に続くと、その人間の人相そのものも大きく変わってしまうこともある。
顎がゆがみ、目や鼻の位置さえも変形したように見える。

 

これらのほとんどは、顔面の筋肉やその連動する骨格筋の問題から生じてくる。
顔面の筋肉は、比較的精神的な作用に伴い、大きく変化する。

 

気分が落ち着いていると筋肉の連動もスムーズに運び、目的通りに動いて調和のとれた動きとなる。
これらに不具合を生じると、顔面周辺の異常は意識に最も感じやすいため、精神的にますます落ち着かなくなってくる。
顔面軽擦回復法は、これらの諸問題の中心である、顔面の緊張を解消する画期的な方法である。
顔面の筋肉群においては、50以上の筋肉があり、それらが互いに連動している。

 

また、他の部位の筋肉でも40以上の筋肉が顔の動きに影響を与えているといわれている。
これらの多くが肩及び頚椎周辺の筋肉である。
これらの諸問題を一気に解決する方法として、軽擦回復法が最も適している。
手法の目的は主に筋肉を弛緩させることである。軽擦法は一見して簡単そうに見えるが、筋肉繊維の流れを施術者がイメージして、顔の部位の凹凸(目、鼻、口、耳、髪の毛)などにタオルをかけて行っていても、タオルを透かして顔立ちをしっかり把握することが大切である。
顔面は人間の身体の中でも目や鼻などの粘膜が近くにある、敏感な部位である。
軽く擦っているつもりでも、相手にとっては大きな刺激となる可能性もあるので十分注意すること。
以下顔面軽擦回復法の説明をする。
これまでの回復法同様、軽擦の刺激は、主に施術者の両掌の五指を活用する。

施術者は指先の力を抜くだけではなく、肩の力を抜いて行う。肩の力が入ると、自然と指先にも力が入ってしまう。
指先は決して力を入れず、相手の顎の下から施術者の方向に向け、ゆっくりと、顔面の各所に満遍なく行うこと。

何度も往復するが、相手の顔に触れる瞬間は、その都度、初速に充分気をつけ、決して無理な力を加えず、指先の角度と圧に気を配り、指先を相手に突くようなことはしない。
顔面の形状により、少しずつ移動して、相手が心地よいと思える範囲の刺激で行う。
五指の指の角度と、刺激の方向性を変化させることで様々な筋肉に対してアプローチをかけることが可能である。
この回復法を行うことで、顔面・顎関節・頭部周辺の様々な不調が原因である、


■頚椎全体の筋肉の緊張
■頚椎椎間板の劣化収縮
■頚椎が問題で発生している手足の痺れ、痛み
■頭痛・寝違え・ムチウチ症等
■触ると痛いなどの恐怖感および筋肉の痛み
■相手の身体に触れている部位の筋肉痛
■顎関節症、歯痛、頭痛


等の回復が見込める。
上記のほかにも様々な症状が改善される。

以下、顔面軽擦回復法の手順と注意事項を述べる。
ア)施術者は⑦頚椎ゆらし微圧回復法が終了後、同じ位置、姿勢にてこの手法を行う。
イ)施術者は写真①のように相手の顔面に用意しておいたタオルをゆっくり、優しくかける。
その際、コンタクトレンズをしていないか、必ず安全上の確認をする。
ウ)タオルをかけると、相手の鼻や口をふさぐので、場合によっては苦しいという時もある。
その際はタオルの位置を変えて呼吸が楽なように配慮すること。写真②参照
エ)写真③の位置からゆっくりと施術者の両手五指を使って、タオルの上から刺激を与える。
相手の顎周辺から施術者側に向かって、軽擦を行う。
オ)写真③~⑤の順番にゆっくりと優しく、相手に不快感を与えぬように行う。
タオルに触れる際、初速に注意しながら一定の軽察を心がけて最後まで行うこと。
カ)顔面には様々な凹凸がある。その凹凸の一つ一つを十分に意識して、凹凸に対して、施術者の指が相手の顔面を突かないように注意すること。
凹凸に対して、常に滑らかな軽擦を心がける。
キ)タオルをかけると、顔面の凹凸がわかりにくいと感じるが、タオルをかける前に、相手の顔の状態をおおむね把握しておくこと。
眼球そのものに対しては軽擦を行わないこと。
ただし、眼球の周りの筋肉群に対しては行っても良い。
ク)写真③~⑤の順番で、顔面に満遍なく軽擦を繰り返す。顔面周辺の筋肉の緊張が解消してくると、相手の顔の表情や顔色などが変化する。
必要があれば、タオルを少しはずして相手の顔面の状況の変化を確認してその都度声をかけ、状態を聞くこと。
変化があれば相手に報告する。
ケ)軽擦は、決して力任せに行わないこと。常に、刺激が強すぎないか、優しく安全であるか意識を集中させること。
コ)施術者は自分の左右の五指が同じ刺激ではないことを意識すること。顔面であっても、必ずしも左右対称ではないことを頭に置くこと。
顔面の凹凸も筋肉の状態によっては、左右対称ではない。その場合、施術者が感じる左右の五指の刺激は違ったものになる。
左右がちぐはぐな動きにならないように注意すること。
サ)終了の際は、相手の顔面の上で止めないこと。必ず顔面から両手五指が離れてから動作を停止すること。
シ)全てが終了後、問診の際の痛み、不具合が解消したか必要な検査及び、体感上の変化を相手とともに確認する。


①タオルを用意し、ゆっくりと顔面にかける


②口、鼻をふさぐので苦しくないか確認しながらタオルをかける


③顔面の凹凸に注意しながらゆっくりと軽擦を行う


④軽擦を行っている状態(中間位置)


⑤軽擦を行っている状態(最終位置)


⑥終了後、ゆっくりと優しくタオルをはずす

側頭骨軽圧回復法につづく。


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