⑧手組挙上ゆらし回復法(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

他のCTC技法解説は以下を参照ください。

回復整体における「骨盤調整法」コアテクニック技法理論解説

①三点軽圧回復整体(伏臥位コアテクニック回復整体手順解説~うつぶせ~)

②開脚骨盤調整回法/足首ゆらし(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

③開脚運動回復整体/腰・肩・上腕・首(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

④伏臥位両下肢ゆらし回復整体(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

⑤腰背部膝入れゆらし回復整体(仰臥位コアテクニック回復整体手順~仰向け~)

⑥手組ゆらし運動回復法(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

⑦膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法 ※ 快福枕使用(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)


2.仰臥位コアテクニック回復整体手順(仰向)

⑧手組挙上ゆらし回復法(肩部・上背部・上肢各周辺)
手組挙上ゆらし回復法は、上半身に対しての大きな歪みを解消できる効果的な手法である。
人間の祖先は木の上で生活していたことを考えると、腕を伸ばす行為は筋肉の緊張を解消できる最も自然な行為である。

(「手組挙上ゆらし回復法」は9分37秒から)

長時間ディスクワーク等をした場合、自然に“伸び”をすることがあるが、この手法もやはり、人間の自然な生理現象を応用して考え出されたものである。


特に、腕を組み、上肢を挙上することで背中側の筋肉に対し牽引がかかる。

背中に問題がある場合、この手法はとても心地よく、上半身の様々な問題を解消することが可能である。


この回復法のポイントは、相手が挙上した際、相手の腕が自然に伸びる状態を補助的に助けることである。

更に、伸びきった上肢を左右に無理なく誘導しながら、牽引を解くことなく、左右にゆっくりとリズミカルにゆらすことにある。


相手の腕は伸びきっていることが理想だが、肘や肩関節に不具合がある場合、相手の楽な角度にて挙上すること。

相手の関節の可動が失われているにもかかわらず、無理に牽引したり、左右にゆらしたりしないこと。

 

上肢を左右にゆらすことで、相手の足先までゆっくりと波打つように動作させることが大切である。

心地よい刺激の伝達により脳への安心安全な情報伝達を与えることを心がけること。

ゆらしの刺激は、初速に充分気をつけ、決して無理な力を加えず、少しずつ動作させ、相手が心地よいと思える範囲の刺激で行う。全身が少しでも

ゆれ始めたら、そのゆれを補助する程度の動作に心がけること。

 

この回復法を行うことで、肩部、上背部、上肢、頚椎各周辺の様々な可動不良が原因である、


■主に上半身の歪み、疲労感
■背中の痛み、違和感、筋肉の緊張
■肩の痛み・可動不良
■上肢全体の関節の違和感、可動不良
■足先から頭までの筋肉の連動不良
■触ると痛いなどの恐怖感および筋肉の痛み
■①~⑤の回復法では解消しなかった不具合・可動不良
■呼吸に関する不調


等の回復が見込める。
上記のほかにも様々な症状が改善される。

先にも記したが、手組挙上ゆらし回復法は、人間の生理現象である、“伸び”を基に開発された手法である。
人間は、過度に疲れているときや、緊張を緩和したいとき、眠いときなど“あくび”をしながら、“伸び”をする。これらは人間
の呼吸に関する生理現象でもある。

 

基礎理論で説明した「呼吸理論」および「程度と加減」という、人間が自然な状態で行っている生命活動についての理論をしっかり頭におき、決して不自然な手法にならないように注意しなければならない。

 

また、全身の筋肉の連動を意識して行わなければならない。

以下、手組挙上ゆらし回復法の手順と注意事項を述べる。

 

ア)施術者は⑤の膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法が終了後、相手の頭部後方に移動する。

 

イ)施術台などがある場合は、写真②のように施術台から降りて蹲踞の姿勢にて相手の頭部後方に位置する。施術台がない場合は、正座でも良い。


ウ)写真①のように相手に上肢を挙上するよう指示し、無理のない角度を確認する。


エ)相手に両掌を組んでもらい、無理のない角度を維持しながら施術者は組んだ相手の両掌の内側に両手五指を差し入れ、無理のない範囲で保持する。


オ)写真③のように保持した相手の両掌から、吸気にてゆっくり後方に牽引をかけていく。

 

カ)牽引が十分であると判断した後、写真④~⑥のように、相手の可動を壊さぬよう、ゆっくりと左右にゆらし始める。無理のないゆらしを心がける。

 

キ)相手の全身が左右にゆっくりとゆれ、相手の足先が同様に左右に無理なくゆれ動いているか確認する。
頭部から足先まで満遍なく、揺られているかどうか、動作の一往復ごとに確認する。

 

ク)ゆらし動作の間の施術者の両手五指は、相手の腕をつかむのではなく、掌と手首の中間部分に施術者の両手五指をあてがい、痛みのないように注意すること。
全身の筋肉、関節の連動を最も意識して行うこと。ゆらしの感覚は、施術者と相手が一体となることを意識して行う。
このときも相手に痛みや不具合がないか、常に確認して作業すること。

 

ケ)どのような場合も、各関節の自然な動きに対応して無理なく行うこと。
決して力任せに相手の自然な動きを邪魔してはならない。
写真⑦⑧のようにゆっくりとゆれること。


コ)終了の際は、急に動作を停止せず、緩やかに止めるように心がける。呼気にてゆっくりと牽引を解き、組んでいる両掌を元に戻し写真⑨のように開放する。

 

サ)全てが終了後、問診の際の痛み、不具合が解消したか必要な検査及び、体感上の変化を相手とともに確認する。


①上肢を挙上して無理のない角度を確認する


②相手に両掌を組んでもらう


③吸気にて無理なく牽引をかけていく


④牽引が程よくかかった後、ゆっくりとゆらしはじめる


⑤相手の上肢の関節を無理に伸ばさない


⑥可動を壊さぬよう、ゆっくりとゆらす


⑦ゆっくりとゆれること(左ゆれ)


⑧ゆっくりとゆれること(右ゆれ)


⑨牽引を解き、相手に両掌を解くように指示し開放する

⑨頚椎ゆらし微圧回復法/頚椎・額関節各周辺 ※ 快福枕使用につづく。


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