⑦膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法 ※ 快福枕使用(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

他のCTC技法解説は以下を参照ください。

回復整体における「骨盤調整法」コアテクニック技法理論解説

①三点軽圧回復整体(伏臥位コアテクニック回復整体手順解説~うつぶせ~)

②開脚骨盤調整回法/足首ゆらし(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

③開脚運動回復整体/腰・肩・上腕・首(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

④伏臥位両下肢ゆらし回復整体(伏臥位CTC回復整体手順解説~うつぶせ~)

⑤腰背部膝入れゆらし回復整体(仰臥位コアテクニック回復整体手順~仰向け~)

⑥手組ゆらし運動回復法(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)


2.仰臥位コアテクニック回復整体手順(仰向)

⑦曲げ体幹ゆらし牽引回復法 ※ 快福枕使用

(「膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法 」は8分48秒から)

膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法は、これまで行った仰臥位での手法において、更に調整の意味も兼ね、全身の筋肉の緊張を改善する手法である。

この手法は、人間が睡眠中に無意識に行っている生理現象としての骨格調整機能を人為的に活用するものである。いわゆる、「寝返り」を人為的に自然な形で行う画期的な手法である。
この回復法のポイントは、身体全体をゆっくりとリズミカルにゆらすことにある。

相手の膝はリラックスした状態で軽く曲がっていることが重要である。

 

そのため、相手の両膝の後ろには、快福枕を差し込んで行う。大腿部と床とに若干の隙間が出来るが、その隙間を利用して施術者は相手の大腿部を保持して自由に手法を掛けることが出来る。

身体全体が波打つように柔軟性を取り戻し、心地よい刺激の伝達により脳への安心安全な情報伝達が行えるいわば、相手の身体との会話が出来る手法である。

 

ゆらしの動作は、初速に充分気をつけ、決して無理な力を加えず、少しずつ動かし、相手が心地よいと思える範囲の刺激で行う。全身が少しでもゆれ始めたら、そのゆれを補助する程度の動作を心がけること。

この回復法を行うことで、全身の様々な部位に以下の不具合が原因である、


■身体全体の歪み、疲労感
■身体全体の筋肉の緊張
■大腿部周辺の不具合
■背中全体の緊張
■足先から頭までの筋肉の連動不良
■①~⑤の回復法では解消しなかった不具合・可動不良
■全身の緊張による不眠症、寝つきが悪い、夜中に目が覚める


等の回復が見込める。

上記のほかにも様々な症状が改善される。

 

先にも記したが、膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法は、人間の生理現象である、「寝返り」を基に開発された手法である。

基礎理論で説明した「呼吸理論」および「程度と加減」という、人間が自然な状態で行っている生命活動についての理論をしっかり頭において、決して不自然な手法にならないように注意しなければならない、また、全身の筋肉の連動を常に意識して行わなければならない。

以下、膝曲げ体幹ゆらし牽引回復法の手順と注意事項を述べる。
ア)施術者は⑤の手組ゆらし運動回復法が終了後、相手にそのまま仰臥位にて両脚を伸ばしてもらい、写真①の姿勢になり、快福枕を用意する。

 

イ)施術者は更に写真②のように相手に接近し、膝を曲げてもらうように指示する。

 

ウ)曲げた膝の隙間に快福枕を差し入れる。この時、膝の裏側の真下より若干足先側に枕を置くこと。(写真③参照)

 

エ)相手にゆっくりと膝を伸ばしてもらい、膝の真裏に快福枕が位置するように施術者が微調整する。(写真④⑤参照)

 

オ)写真④のように快福枕が相手の膝の真後ろに位置しているか、施術者は相手の膝の上から視認する。
位置が不自然であったり、相手が痛みや不具合を感じている場合は更に調整して無理のない位置に変更する。

 

カ)オ)の後、相手をまたぎ、施術者の両手五指を相手の大腿部外側を適度な圧で呼気にて軽く触れ、初速を無理にかけようとせず、相手の身体中の筋肉の連動を意識して、流れに逆らわずゆっくりとした動作で、無理のないように揺らすことを心掛ける。(写真⑥参照)

 

キ)写真⑦⑧のように相手の全身が左右にゆっくりとゆれ、写真⑨⑩のように、相手の足先が同様に左右に無理なくゆれ動いているか確認する。
頭部から足先まで満遍なく、揺られているかどうか、動作の一往復ごとに確認する。

 

ク)ゆらし動作の間の施術者の五指は、相手の大腿部を握るのではなく、つかむのでもなく、左右交互に波打つように、受け渡しをする。
身体全面の筋肉の状態を常に把握しながら、小さな動きからどのような方向にゆれが増幅していくか、全身の筋肉、関節の連動を最も意識して行うこと。
ゆらしの感覚は、施術者と相手が一体となることを意識して行う。このときも相手に痛みや不具合がないか、常に確認して作業すること。

 

ケ)どのような場合も、各関節の自然な動きに対応して無理なく行うこと。
決して力任せに相手の自然な動きを邪魔してはならない。

 

コ)終了の際は、急に動作を停止せず、緩やかに止めるように心がける。
相手の大腿部に触れていた両手五指を吸気にてゆっくりと開放する。

 

サ)相手に膝を曲げてもらうように指示し、快福枕をはずす。その後相手にゆ
っくりと両脚を伸ばすように指示する。(写真⑪⑫参照)

 

シ)全てが終了後、問診の際の痛み、不具合が解消したか必要な検査及び、体感上の変化を相手とともに確認する。


①仰臥位の姿勢。快福枕を用意する


②両膝を曲げてもらう


③ゆっくりと膝裏に快福枕を差し込む


④膝の真裏になるように快福枕を置く


⑤相手が楽なように調整する


⑥呼気で触れ、両手の五指を使いゆらしはじめる


⑦相手の全身がゆっくりとゆれること(右ゆれ)


⑧相手の全身がゆっくりとゆれること(左ゆれ)


⑨相手の足先が左右に無理なくゆれること。(右ゆれ)


⑩相手の足先が左右に無理なくゆれること(左ゆれ)


⑪相手に膝を曲げるよう指示し快福枕をはずす


⑫相手にゆっくりと両脚を伸ばすように指示する

⑧手組挙上ゆらし回復法(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)につづく。


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