日本回復整体総合学院講義メモ
目次
回復整体における「身体の自然な動き」とは
本能の動きや、現在の環境に適した動きのことをいいます。
現在の環境内において、自然で「安心、安全」な身体各部の領域を広げること。
領域(動作領域)が広がるとは、安心して動ける範囲を広げることです。
ポイントは重症な方ほど、患部より遠い部位から行なうようにしましょう。
身体(脳)が受け入れられるやさしい刺激で行なうことが効果を高めます。
毎回の施術はどんな優しい刺激と思って行っても、常に危険はないかと考えるような癖を付けましょう。
不必要な痛みを避けることです。
軽い痛み、重い痛みなど、身体にとっては関係なくどちらも「刺激」に違いないと心得ましょう。
施術の際の患者さんの動作や姿勢で、少しでも痛い、気持ちが悪い、違和感がる等の場合、これらの不具合のない姿勢で施術を行う事が大切です。(常に身体(脳)の安心、安心を考慮する)
こうした際の声かけのポイントは、「今、自分で一番楽だと思える姿勢を取ってください。」
立位が楽なら立位、座位が楽なら座位から施術もありえるわけです。
施術台で仰臥位、伏臥位でなければ施術できない等、固定観念を持たないで柔軟に対応しましょう。
どんなケースでも、相手が一番楽な姿勢から施術を始めることです。
施術を行ううちに、次第に楽なっていく姿勢を増やし、骨格診断をしていくようにします。
身体の自然な動きや姿勢にとって、休息も重要
健康な時でも全力で走れば、休憩しなければ体力が持ちません。
重症な患者さんほど体力が不足しています。
施術時間を短くして、身体への負担を減らすように心がけます。
人間は扇風機の風に長時間あたっているだけでも、体力を消耗しその刺激で身体が反応します。
それがたとえ「空気」であって、適度な範囲を超えれば顔がむくんだり、体温が低下したりして体調を崩す原因になります。
まして、回復整体の施術であっても、相手に直接触れるわけですから、長時間の施術はどんなに優しい刺激と考えても、長い時間、適正範囲を超えれば相手の身体はそうした優しいと思える刺激さえも、受け入れなくなってしまいます。
相手の恒常性を意識しながら、常に今の環境を壊さないように時間や与える刺激について考えて施術を行いましょう。
一回の施術に10分以上の時間をかけないようにする
回復整体初心者は技術力が未熟です。
未熟だからと言って、効果が出ないという事ではありません。
施術の経験が少ない初心者のうちは、気づかずに相手の自然な動きを壊している可能性があります。
刺激が適度であれば、施術が下手だとしても、相応の効果があります。
しかし、時間のかけ過ぎは問題があります。
技術が未熟であるうちは、限界がわかりません。
わからないからこそ、10分という時間内に施術を終わらせて結果を出すことに注意を向けましょう。
相手の身体の休息を入れること
ただし、10分施術を行い、状況を見ながら、1時間後、2時間後、再度10分の施術を行う事はその限りではない。休憩すれば身体は再び刺激を受け入れられる体力を回復しているからである。
患者さんの中には、痛みを我慢する人がいます。
今まで痛みの伴う治療を行ってきた患者さんは、少しばかりの痛みや刺激は良くなるための「我慢」と考えてしまう方がいます。
このような患者さんには、回復整体の簡単な理論を説明し、どんな小さな刺激でも我慢は良くないという事を理解してもらいましょう。
相手の五感から入る不必要な情報(刺激)を与えないように注意する
施術に際して「音」も重要です。施術台の上に「ドスン」と足をかけたり、耳元で大きな声で急に会話をはじめたりすることも、不必要な刺激になり、身体がより緊張して痛みや不具合を増幅させてしまうかもしれません。
施術者は人間の「五感」から受ける情報全てに気を配ることです。
また、施術所内において、「安心させる雰囲気」も大切です。
転ぶのではないかと思える危険な物が足元に落ちていたり置いてあったりすることは、身体の不具合を持っている方にとっては危険を感じる要素になり、これも不必要な身体の緊張につながります。
施術所内が汚く汚れていたり、トイレから悪臭が漂っている環境は、安心な環境とは言えません。
環境の見た目や臭いにも気をつけ、安心安全な環境を作るのも「技術」の一つの要素だと考えましょう。
治療効果を高めるには安心、安全に振舞うこと
患者さんの身体のどこかに「硬縮」がある場合、その方の健康なときや他人と比べないことです。
今現在の、患者さんの環境について考え、「安心・安全に動ける」環境の範囲を超えないように注意しましょう。
(例 「こうしてください」はダメ「一番楽な姿勢を取ってください」)
これは患者さん本人の意識してできること(思考)では無く、無意識の範囲内で身体が安心、安全だと感じられることです。
安心できる刺激とは、危険のないその患者さんの動きを助ける動作を考えることです。
例えば、五十肩の症状で、肩の可動範囲が限られている場合、痛みがない範囲の動きを助けるように技法を行う事です。
痛みがない範囲が、例え数ミリであっても、その範囲を超えない限り、脳は安心安全だと判断します。
可動範囲内を少しづつ広げていくことで、脳は安心安全と判断し、防衛反応を解いて可動範囲が徐々に広がっていきます。
高いビルが苦手な場合、5階に急にあがるのではなく、1階の高さに慣れてから、2階、3階と上がっていく方が恐怖心が薄くなるのと同じです。
これらは脳が少しずつ安心できる環境を学習しているからです。
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