腰部疲労痛回復法/筋ウエーブ法主体の技法(解説)

目次

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筋ウエーブ法主体の技法(解説)

筋ウエーブ法を実際の回復整体の技法の流れに合わせて解説する。

筋ウエーブ法の理論解説(簡易バージョン)は以下を確認。

筋ウエーブ法理論解説(簡易バージョン)

実際の組み合わせは骨格診断によって、相手の症状にあわせ自由に変更してできるが今回の解説は「腰部疲労」として筋ウエーブ法の技法の組み合わせ(技法5種)を解説。

腰部疲労痛回復法

腰部疲労回復法は、筋ウエーブ法を主体として組み合わせた技法である。
大きな目的は、疲労によって発生している腰部痛を解消することである。
通常の腰部痛の回復法において、改善しにくいものや回復に時間がかかるケースに行うことを目的とする。
筋ウエーブ法の理論で解説したように、主に筋ポンプによる血流をコントロールして疲労の回復を促進させる。
更に、ウエーブによる、インナーマッスル、細かい筋や、筋の起始と停止部において、筋の自重を考慮して多角的に牽引を行うことを目的とする。

手順その1(脹脛)

写真の体制を取り、ベッドに旨をあて、背中がへこみ、腹部が下がるようにする。

(生理彎曲ができる)施術者は腕を交差させ、写真のように内側の掌で相手の脹脛を保持する。

手順その1(脹脛)

施術者は相手に手順その1の写真の体制を取るように指示する。
施術者自身は、写真その1右側の写真のように対象の足首を保持し、これを持ち上げ自分の膝の上に置く。
施術者の腕は交差させ、片側の掌で足首を保持、片側の掌で対象の筋群に掌全体、指先を保持する。
対象の筋群を保持した掌、指先は決して握りこまないように、無理な圧をくわえないように注意する。
タイミングを見て、筋の走行を意識しながら、筋ウエーブ法を実施する。
筋へのアプローチは、単純に振動を与えるだけではなく、末端の筋群に波が伝わることが重要である。
そのため、骨格における、筋の連動性を意識して対象の筋群への刺激の意味を考慮すること。
この場合、膝関節周辺においての血行、付着点の筋の緊張を解消することも目的となる。

手順その1(脹脛)を動画で確認

手順その2(大腿部)


施術者は相手に写真の体制を取るように指示する。
施術者自身は、写真のように大腿部(右掌を前面、左掌を後面)に保持し、体制を整える。
施術者の両掌は相手の大腿部全体を包みこむように無理な圧を加えることなく軽く保持する。
対象の筋群を保持した掌、指先は決して握りこまないように、無理な圧をくわえないように注意する。
タイミングを見て、筋の走行を意識しながら、筋ウエーブ法を実施する。
筋へのアプローチは、単純に振動を与えるだけではなく、末端の筋群に波が伝わることが重要である。
そのため、骨格における、筋の連動性を意識して対象の筋群への刺激の意味を考慮すること。
この場合、大腿部周辺においての血行、付着点の筋の緊張を解消することも目的となる。
また、大臀筋など、連動した筋群にも大きな影響を与えることが可能である。



大腿部の主導筋を対象に行う。
大腿部裏側の図。血管、神経の位置関係も把握すると良い。



大腿部の筋群の起始と停止位置を確認し、目的を明確化すること。


手順その2(大腿部)を動画で確認する

手順その3(腹直筋)

施術者は相手に写真の体制を取るように指示する。
施術者自身は、写真のように相手の左右どちらかに位置し、この場合右掌を脊柱起立筋にあてがい、左掌を腹直筋にあてがう。
施術者の両掌は対象の筋群を軽く包み込むように保持する。
決して無理な圧を加えないようにすること。
特に腹部においては、内臓が下方にあるため、注意が必要である。
更に呼気、吸気において腹部が前後するので動きに合わせて掌を調整する必要がある。
腹直筋にあてがった掌は、緩やかな筋ウエーブ法を行うこと。
体勢と腹直筋の性質上、他の主導筋のように大きなウエーブをおこすことは出来ない。
ただし、この体勢においても腹直筋の走行をよくみて、どのように連動しているか意識しながら行うことで硬直した筋群に対し効果を発揮するものである。
刺激に弱い腹部ということもあり、出来るだけ回数を少なく短時間で終了するように心がける。



緊張または萎縮している腹直筋に対して、ウエーブをかけることで牽引がかかる。
よって、背骨に正常な生理彎曲をつくることを目的とする技法である。


手順その3(腹直筋)を動画で確認する

手順その4(腹直筋・脊柱起立筋)


施術者は相手に写真の体制を取るように指示する。
施術者自身は、写真のように相手の左右どちらかに位置し、この場合右掌を脊柱起立筋にあてがい、左掌を腹直筋にあてがう。
手順その3との違いは、腹部にあてがう左手は相手の動きに合わせる以外、施術者はコントロールしないことである。
この技法では、主に脊柱起立筋に対して筋ウエーブ法でアプローチする。
脊柱起立筋は、この体勢では通常弛緩した状態となる。
ただし、身体の記憶により脳が緊張を保つように働きかけている場合、筋や背骨が膨隆していたり、複雑な緊張を維持していることがある。
これらの状態を良く観察し、ウエーブを行う際に、適度な連動性を考慮して行うこと。
決して、無理に行い、身体へ悪い刺激とならないように注意すること。
施術者の両掌は対象の筋群を軽く包み込むように保持する。
決して無理な圧を加えないようにすること。
特に腹部においては、内臓が下方にあるため、注意が必要である。
更に呼気、吸気において腹部が前後するので動きに合わせて掌を調整する必要がある。


強く大きな筋群であるため、掌底を活用してウエーブを行う。


手順その4(腹直筋・脊柱起立筋)を動画で確認する

手順その5(背部)

施術者は相手に写真の体制を取るように指示する。
施術者自身は、写真のように片足を施術台の上に踏み出し、相手の左右の脇下(広背筋)に両掌をあてがう。(相手の体制はこれまでの手順と同じ)
この技法では、主に背部(主に上部)に対して筋ウエーブ法でアプローチする。
広背筋及びその周辺全体にウエーブをかける。
背面の筋群は大きくはウエーブしないが、小刻みでもウエーブがかかれば目的とする筋肉にも牽引がかる。
このとき、片側、又は両側の脇下の広背筋に対してウエーブ法を行う。
この技法の目的は広背筋を通して、他の関節につながるインナーマッスルの細かな緊張を解消し、同時に上半身の血流を促進するものである。
身体の記憶により脳が緊張を保つように働きかけている場合、脇下の筋群が伸びきらないことがある。これらの状態を良く観察し、ウエーブを行う際に、適度な連動性を考慮して行うこと。
決して、無理に行い、身体へ悪い刺激とならないように注意すること。
施術者の両掌は対象の筋群を軽く包み込むように保持する。
決して無理な圧を加えないようにすること。



両脇下に掌を差し入れ軽く保持する。○の周囲、小刻みなウエーブでも背部全体、インナーにも影響を与える。

背部のみならず、インナー及び、連動した上半身全面の筋群にも影響を与えることが可能である。


手順その5(背部)を動画で確認する。


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