【理論】身体を壊す(恒常性の破壊)とは(索引用簡易版)

【理論】身体を壊す(恒常性の破壊)とは(索引用簡易版)

目次

【索引用】回復整体理論(簡易版)

身体を壊すとは

恒常性(ホメオスタシス)を破壊すること。身体(生体)の内部及び外部の一定の環境に保ち続けようとする働きを邪魔することである。
身体だけではなく、精神的な(内部)の恒常性も同様。

■症状や痛みがある場合、意識的、無意識的にも一番楽な動かし方を探してる。

例:朝起きるとき等、健康な時を基準に動かす→早く動かすと動きにくい(痛い)

意識と身体の脳がアンバランスになっておこる現象。
いつもと同じ動作を行おうとしても、身体は心の脳の命令を聞かない。
この場合は意識的に動作をゆっくり動かすと、バランスが取れる。

朝は身体がまだ良く動かないことを理解していれば、無理な動きをせずゆっくり起きればいい。
あわてて起きると、思わぬ部位が痛くなったりするのはこのためである。

例:子供の運動会で父親が何年かぶりに駆け足すると、足がもつれて転んでしまう。

この場合も若い頃の身体の動きと、現在の運動不足の身体のギャップから起こる。
若い頃のイメージで身体を動かそうとしても身体がついていかない。

あくまで今の状態が基準であり、過去のイメージで動こうとしても動けない。
今現在の状態を身体は維持しおり、その状態からはずれるとバランスが崩れる。

■肩に痛みがある患者にバンザイ検査などゆっくり動かすと治ってしまう

逆を説明すると、バンザイの際、早く動かすと脳が怖がり動きに制限を掛けるように働く。
これはその患者の現在の恒常性を破壊したからである。この場合、ゆっくり動かしてもらう事で恒常性を破壊せず、安心安全な環境であると脳に働きかければ痛みは改善する。

■ギックリ腰で2.3日寝てしまうと背中の筋肉が緩みすぎて更に別の痛みが発生することもある

普段寝不足の人間がギックリ腰や風邪をひいたりすると、普段以上に何時間、何日と寝ると筋肉が緩みすぎて痛くなる場合がある。(寝腰が痛い等)
その状態が続くと、寝ていても痛みのある部位をかばう筋肉が緊張することもある。

更にその状態を脳が記憶してやめなくなる。

これも普段は横になる時間が少ないのに、何らかの原因で普段以上に寝てしまったことから、恒常性(環境)が破壊されたことから発生する。
(少し話がそれるが、この場合、緩んだ筋肉(この場合主に背中)に緊張を入れる応用技法をかけることで改善する。
自己療法の例:仰臥位(仰向け)で背中を沿った状態を数秒維持する。)

参考:朝起床時に背中、腰がいたい→緩みすぎ→仰臥位で背中を20秒浮かす

■頸椎周辺の筋肉がが緊張してるときに酒を飲むと頭が痛くなる

酒を飲むと急に筋肉がゆるむため、恒常性が破壊される。
筋肉が緩み、頚椎、顎関節等がずれるため、神経が圧迫されて頭痛になる。

■新しい仕事やスポーツを始めると、3ヶ月位は痛みが出る

仕事でもスポーツでも同じで、これまでの環境から全く違った環境で身体を動かすと恒常性が働き元の安心できる環境に戻ろうとする。その際にあちこちが痛くなる。

しかし、続けていくうちに身体が学習して環境に合わせた身体機能が維持できるようになる。

上記のどれもが現在の身体環境を急激に変化させた結果発生した現象である。
恒常性を破壊せず、身体の脳が安心できる程度の環境の変化を与えることが最も重要である。

■ポイント

「身体を壊す」とは現在脳が安心している環境(恒常性)を破壊したことで、身体が引きこもり悪い学習をしてしまったことである。
後で健康を害すであろうと思われる動作や姿勢は、その学習をその日の内にもとに戻すと良い。

ただし、人間は現在の環境から少しずつ違う環境にうつることで、心身が鍛えられる側面もある。

仕事でもスポーツでも、環境の変化に怖がらないからこそ能力が向上する。
何事でもそうであるが、心身とも急な変化は受け入れ難いが緩やかな変化は受け入れられるものである。

環境に合わせて少しずつ変化させ、心と身体のバランスを取り無理をしないことだ。


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