このブログでも何度かお伝えしていますが
私たち夫婦が施術所兼マイホームを建築し開業したのは20数年前でした。
当時私達は警察署に勤めており、
二人合計の年収は1000万円前後あったと思います・・・
夫婦で公務員に勤めていると、
ボーナスなんてすごかったです。
夫婦二人だけならボーナスで年に海外旅行に何回も行けるくらいありました。
(今考えると結構な収入だったなと思います 笑)
公務員の身分は金融機関からお金を借りる際、
すごく有利です。
安定してるし、信用もあるからです。
ちょっとズルイ考え方だったかもしれませんが、
その身分のうちに「整体院」も建てちゃえ!
って意外と軽いのりで自宅と施術所を建ててしまいました。
事業用の建物を建てるわけにはいかないので、
「二世帯住宅」ということで施術所を自宅と壁一枚で仕切ったような感じで、
52坪の大きな家を建てたんですね。
選んだ住宅会社はTVでも宣伝している大手です。
なので建築費用はかなり高額でした。
当時の収入は二人合算すれば結構ありましたが、
貯金は頭金で全て吹っ飛んでしまいました。
残りはローン。残債はかなり大きい額。
新居に引っ越したとき、二人のお金は50万円しかありませんでした・・・
引っ越した翌月からは毎月10数万円のローンがまっていました。
その上、私(小森)は新潟に整体の勉強に数ヶ月間参加したのです。
わずか50万円の現金はその数ヶ月でほとんど底をついてしまいました。(実話です!(^_^;))
整体の修行が終わり、帰ってきたときには現金はほぼない状態・・・
(その月に収入がなかったら、いったいどうしていたんだろう?今思うと怖い?笑)
なので整体院の備品とか、いろいろ必要なものが買えなかったんです。
カーテンはぎりぎり買えたんですが、安く購入するため寸法が短めで窓に完全にあっていない状態でした。
そしてタイトルにあるように整体院オープンの1日目には、
真新しい施術所の床にファッションセンター「しまむら」で980円で購入した布団用のシーツを敷いて業務を開始したんです・・・笑
患者さん第一号は義理の母の職場の上司が来院してくださいました。
そのとき私は、「今日から開業したんですが、施術用のベッドが間に合わず用意できませんでした。申し訳ありませんが、今日はこのシーツの上で施術しますね。」
そうお伝えしたんです。
ただ、施術所の雰囲気は妻(学院長)の工夫で明るく清潔感がありました。
寒い時期のことでしたから、入り口付近に鉢植えのお花(たしかパンジーとビオラだったかな?)を用意して施術所の内外をなけなしのお金を使ってそんな雰囲気にしたことを今でも覚えています。
当時はネットで音楽を聴くなんてことはできませんから、
小鳥の鳴き声や、波の音が録音されたCDを買い、私が独身の頃から使っていたアンテナが折れてラジオが聞けないラジカセで音楽を流すことにしました。
その日、妻はといえば生後間もない長女を背中にしょって、
隣の部屋でお乳を与えたり、おしめをとりかえたりしながら施術所を行ったり来たりしました。
緊張の第一号の患者さんの施術が終わり、
施術代金をいただきお釣りをお渡ししたんですが、
つり銭を入れるレジもなくティッシュペーパーの空き箱から取り出してお釣りをお渡ししました。
(今思えばかなり失礼だったなぁ・・・)
でも、その患者さんは「あ~、いいよ、いいよ、そんなことより肩こりがよくなったからそれで問題ないよ!」
と、優しい言葉をかけてくださいました。
その言葉に嘘はなかったようで、
第一号の患者さんの肩こりをかなりいい感じで解消できたんですね。
この方がいたからこそ、その後の快進撃?が私たちの整体院で発生したともいえると思います。
床にシーツを敷いて、ティッシュペーパーの空き箱から無造作に取り出したつり銭・・・
礼儀もあまり知らない無知な若夫婦。
まぁ、紹介してくれた部下もいることだし若い夫婦が必死で開業初日を迎えってこだから少し宣伝してあげよう・・・
この患者さんのご好意もあったかもしれません。
でも、そんなサービス精神だけではなかったと思います。
一番は確かな技術で肩こりを解消できたことにあると思います。
その後、患者さん第一号の職場の方やご友人が次から次へと口コミが発生したからです。
単に知り合いの娘夫婦が整体をはじめたから、
是非行ってやってってだけじゃ、そんなことは起こりません。
少しの間だけなら、そういうこともあるかもしれませんが、
その後15年近く継続できたわけですから 笑
このように私達夫婦の原点は「しまむら」の980円のシーツで仕事を開始したということにあります。
極端な話、雨風しのげる場所があってシーツ一枚あれば整体院は開業できるんです。
自宅の空き部屋でもいいし、テナントの一角でも問題ないんです。
私たちの整体は機械や器具等、道具を使いません。
シーツがあればいい、いや、シーツだってなくてもやろうと思えば施術できます。
本人がその気になれば「整体で開業は夢じゃない」ってことです!