回復整体の次回予約提案は理論に基づく一連のプロセス上にある

回復整体の次回予約提案は理論に基づく一連のプロセス上にある

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予約システムカテゴリー
1.回復整体は繰り返しの運動療法/早期回復させる重要事項
2.他の民間療法における次回施術提案の根拠について考察
3.回復整体の次回予約提案は理論に基づく一連のプロセス上にある
4.回復整体で開業することのメリットとデメリット
5.回復整体における次回施術の具体的伝達法
6.整体師は指導者(専門家)である/次回予約のための考え方
7.予約システム(回復カリキュラム)は整体院成功の鍵
8.整体院はチームワークで回復カリキュラム(予約システム)を実行する
9.回復整体予約システム(回復カリキュラム)の理論的考察
10.予約システム(回復カリキュラム作成)まとめ


前の記事「他の民間療法における次回施術提案の根拠について考察」


回復の程度を予測して次回施術を提案カリキュラムを考える

回復整体の理論は、施術をする側にとっても、患者にとっても合理的なシステムである。

日々の施術において、患者の回復の程度を予測して次回施術を提案する。

予約の間隔一つを間違えるだけで、本来直ぐによくなる症状であるにも関わらず、回復までの期間が長引いてしまうことがある。

適切な次回施術を提案し、回復の機会を逃さないようにすることが重要である。

施術の間隔が適正であれば、一見難しい症状であっても繰り返しの施術で改善していくことが殆どである。(大脳から小脳への記憶の置き換え学習)

その上で、予約表をどのように活用し、日々埋めていくかと言うことが大切である。

回復整体の次回予約提案は理論に基づく一連のプロセス上にある

予約表を埋めていくためには、これまで説明した理論的な根拠がしっかりと理解されていなければならない。

単純に、誰でも同じように予約を取ると言うことではなく、患者の症状と必要に応じた次回施術までの間隔を予測して判断しなければならない。

施術の終了後、最後に患者に提案することだけが“次回予約”ではない。

最初の施術から、しっかり相手の症状をみて骨格診断から導き出した正確な根拠を元に、施術から次回の施術までの回復のプロセスをしっかり把握して予約を提案していくことである。

以下に予約システムとして、一連の流れの重要性をあげてみる。

宣伝、問い合わせから施術は始まっていると考える

自院について何らかのきっかけで、患者が問い合わせの電話をしてくる。

その電話対応から、既に施術が始まっているとして対策を考える。

電話対応から相手の信頼を得る言動を心がけることで、既に回復のプロセスが始まっていると考え、この時点から患者の回復の機会であると意識する。

患者と信頼関係を築くことは、施術後に適切な予約を提案するまでの大切なプロセスと認識する。

電話の受け答えから、相手が「施術を受けたい」という気持ちになることが大切である。

電話の対応から信頼を得ることが相手を安心させ、症状を改善に導いていると言う意識を持つこと。(安心させることで副交感神経が優位に働く。すなわち、骨格上のゆがみが改善されているという考え方。)

電話予約から初回施術へ

患者に具体的に回復後の自分をイメージしてもらう

電話による問い合わせ、自院への初回予約、そして施術となる。

施術においても骨格診断を確実に行い、解消できる痛みはその場で解消し、相手の要望に応じて、症状が改善すれば更に信頼関係は確かなものになる。

施術中に相手の信頼関係や骨格診断に基づいた情報から判断せずに、次回予約をした場合には問題が発生する。

相手は次回施術の根拠が理解できないことから、不安になったり、その症状が改善するまでのイメージが出来なくなったりする。

回復までの目標を持つことや、理論的に必要な一連のプロセスの中で次回の施術の必要性を理解していただくことが大切である。

この時点(施術終了後)で信頼関係が患者との間で出来ていることが必要である。

次回施術までの間隔を回復までの最短のものとして提案することである。

ただし、難しい理論を正論で説明しても理解できる患者ばかりではない。

この時点で、的確な伝達法を活用することである。

年齢、性別、職業、環境などを考慮した理論的な説明により、予約をしっかりと受けることが重要である。

例えば、小学生以下の幼児に対しては、身体の事に関して難しい説明をしても理解できない。

この場合は、保護者を通して子供の目線になり、保護者とその子供が双方とも理解できる話を噛み砕いて説明する必要がある。

80歳の高齢者には、高齢者が理解できる言葉や、例え話などの工夫をして説明する。

女性と男性によっても理解が違うこともあれば、相手の家庭環境を考慮して説明したほうが理解しやすい場合もある。

男性であれば理屈での説明、女性では感覚的な説明が必要となる傾向がある。

上記の説明を男女逆にすると、理解されにくい。

施術後における予約提案の重要性

次回の施術について、施術家が骨格診断から導き出した提案をする場合、相手の目線になり、押し付けにならないように注意が必要である。

ここまでのプロセスで患者との信頼関係が築けていれば、患者側からの提案も受けることが出来る。

例えば、初回の施術が終了後、患者側から以下のような希望が出る。

「よくなるまで続けて施術を受けたい」「毎日でも受けたい」というような言葉である。

これは説明がなくとも患者の身体が回復整体の施術を受け理解した、または信頼からその施術家を自らの身体の指導者だと感覚的に理解したともいえるだろう。

信頼関係が一回目の施術で獲得できることは、その後の施術に大きな影響を与えることにつながる。

信頼と言う言葉について、少し説明しておくことにする。

回復整体で信頼関係を重要視しているのは、理論的根拠があってのことである。

以下に患者との信頼関係の重要性を科学的根拠に基づいて解説する。

■感情が双方の身体に影響を及ぼす理由
人間同士が会話できる状態であるとき、その距離が、それぞれの心臓が発生させる電磁信号が相手の脳のリズムに与えている影響に関連していると考えられている。相手の脳波と心臓の心拍との同期化が起こり、脳波と心臓の波動が調和したとき、その距離は150センチになる。感謝やそれに関連する信頼や愛などの感情は人と人のコミュニケーションから発生し、精神的つながりを深いものにしていると考えられている。感謝や信頼を得ることで、人と人は目に見えない部分において、双方の臓器からエネルギーの交換によって生じた様々な現象を感覚的に捉えているのである。逆に言えば、心臓から発する電磁波が相手の脳波に合わないリズムを与えていることが、相手からの信頼を失ったり、感覚的、生理的に受けつけなかったり、知らない人間に対する警戒や不安という感覚から相手を嫌いになったりする理由の説明となると考えている。
(参考書籍:Gの法則からの引用 サンマーク出版)

上記の説明から、患者との信頼関係がどれほど重要であるか理解できる。

更に回復整体の理論から説明すると、信頼関係が得られない場合、相手の骨格にも大きな影響を与えることにつながる。

施術を受けようと来院する患者は、何らかの身体的不調があり、身体が過敏に反応するケースが多い。

例えば、むち打ち症や転んで酷く打撲してしまった等、身体に風が当たっても痛みが出るという症状も少なくない。

そのような場合、相手が不安になり、不快な施術だと思われてしまえば、相手の身体は途端に交感神経優位の指令を発令し、骨格を歪ませてしまう。

施術における技法の問題以前に、手を触れなくとも相手の身体は情報空間での印象のみで更に問題を深くすることも考えられる。

また、適切な次回予約が取れない場合、施術の間隔を開けすぎてしまい、なかなか症状が改善せず、さらに10日間の施術回数が必要となるケースも考えられる。

現在の症状に対して最善の方法を考えることが、施術家として最も大切なことである。

適切な予約を取ることで、相手の症状は次回で改善するかもしれない。

常にそのような思考で、患者との信頼をしっかりと築き、相手が安心して施術を受けることを重要視しなければならない。

自院の提供する情報を適切にイメージしても得る工夫を

以上の各項目は、回復整体における次回施術の提案の重要性と他の療術との比較をしながらその根拠について解説してみた。

ここでは、更に患者が回復するまで施術を継続し、健康的な生活を取り戻すための最も重要なプロセスを解説する。

患者は何を求めて病院や民間療法の門を叩くのか?

最初に考えてもらいたいことがある。

それは、療術業に携わる人間が健康を害した際、過去にどれほど整体やカイロ院などの民間療法の施術を受けたことがあるかということである。

おそらく、その症状が最初に現れた際、最初に受ける治療は現代医学ではないだろうか。

例えば、膝や肩に痛みがあるなど問題があれば、整形外科医の診断を仰ぐことになるだろう。

そこで数回通院し、投薬やリハビリなどを行っても症状が芳しくないと判断し、ようやく他の医学、又は民間療法でならよくなるのではないかと考えるのである。

しかし、民間療法の施術料金は保険制度の枠外であり、全て実費で負担しなければならない。

一度の施術料金は数千円となり、これまで保険診療にて現代医学を受診してきた人間にとっては高額な料金に思える。

自院の提供する情報を適切にイメージしても得る工夫をここではじめて、「はたして金額に見合った方法なのだろうか?」また、「安心して受けることが出来るだろうか?痛みを伴う施術ではないだろうか?」と不安と疑問が浮かび上がる。

その民間療法は信頼できるものなのかどうか、自分の現在の症状と比較して考える。

インターネットを活用し情報収集したり、知り合いに整体を受けて改善した人間はいないかと調べ始めたりする。

評判の民間療法があると、評判や口コミから判断して民間療法を受けみようと考えるのである。

私達が調査した結果、殆どの療術業に携わる先生方が、健康状態が改善されるまで民間療法の施術を受けたというケースは少ないようであった。

この事実から踏まえて考えてみると、施術家自身が民間療法を受け何らかの症状を改善した経験がないにも関わらず、本当の意味で患者の気持ちになることが出来るのだろうか?

自院の情報を相手の立場になって提供しているか、自分の施術が本当に安心して受けることができるものなのかと、問題を客観視して自問自答してみる必要がある。

提供する施術は患者から見て“安心・安全”であり、本当に症状が改善されるという事が誰から見てもわかるように情報提供する必要がある。

*自院を客観視する方法は伝達法(アンケート調査の必要性についてのページを参照

この項では、患者が自らの症状の改善をイメージすることの重要性を理解してもらうために解説してみた。

上記説明から、以下の項目について再確認する必要がある。

・自院について、不信を抱かせていないだろうか?
・危険な施術であると勘違いさせていないだろうか?
・理論に基づいた適切な方法であるとイメージできるだろうか?
・ 自院の情報から患者が症状改善についてイメージできるだろ
うか?

・ 回復までのプロセスについて不信感を抱かせていないだろうか?

これらの項目について施術を受ける患者の側になって考えることが、予約システムを構築する上で重要になるため徹底する必要がある。

患者が健康回復した将来をイメージできること

この項目が一番重要といっても過言ではない。

しかし、多くの療術業に携わる先生方がこのことを理解されていないのではないだろうか。

回復整体では、身体(脳)の生理現象を応用して様々な症状を回復させることが可能である。

特に人間の「五感(触覚、嗅覚、視覚、聴覚、味覚)」に対してのアプローチが可能であり、これらを最大限利用して健康回復に導く。

あらゆる骨格上の問題も、五感から得た情報に対し脳がその状態を維持するように指令を与えている。(詳しくは理論テキストを参照)

その情報は外部からの刺激に限らず、内部からの情報(その人間が過去の記憶からイメージした情報)も含まれる。

脳は五感から得た情報を元に感情を刺激し、その情報が自分にとって快か不快かという二つの選択をすることになる。

不快であると判断した場合、即骨格上の問題が発生する。

具体的には身体の歪みである。

骨格上の歪みとは、筋肉の不必要な緊張状態であり、自律神経のうちの交感神経が優位になった場合である。

五感からの情報はその人間の過去の経験から判断されることになる。

嫌いな色が赤例えば、嫌いな「色」があったとする。

ある人間は「赤色」が好きだとしても、ある人間にとっては「赤色」が不快な色である場合もある。

これは過去の記憶により何らかの理由から、快・不快というイメージを付けられているためである。

赤色について何か嫌な思い出があれば、イメージしただけで骨格は歪む。

また、赤色に対して良い思い出があれば、イメージしただけで副交感神経が優位になり骨格上の緊張がなくなる。

人間の身体は常に五感からの情報を基に、無意識にこれらを判断して骨格にまで影響する情報を全身に与えている。

これらのことは、患者の回復までのプロセスとして非常に重要なことであ
る。

なぜなら、療術業に携わる人間の多くは、患者に対してこれらのイメージを与えていないからである。

患者の最終的な目的は、「痛みや症状」がなくなることだけではない。

痛みや症状はなくなって当然で、更にその先にあるものは健康的で人間らしい生活をすることにある。

施術の際、「痛みを解消する」ことにばかり注意を向けていると、人間を相手にしているのではなく、人間の手足など、パーツ、部品として、極端な言い方をすれば「物体」として患者に接してしまうのである。

「痛みさえ取れればよいだろう。」と、相手の感情など二の次三の次になってしまう。

いわゆる「技術バカ」と我々は呼んでいるが、人間の痛みや症状を「部品」として扱ってしまうことが問題なのである。

自院に来院する患者にとって痛みや症状が改善することが先決ではあるが、そのためにその痛みや症状が解消したその後の自分自身の生活をイメージすることが大切なのである。

そのイメージが出来れば、本当の意味で患者も施術者も一体となって施術に参加できたといえるだろう。

患者に具体的に回復後の自分をイメージしてもらう

「患者が健康回復した将来をイメージできること」で説明したように、患者が本当の意味で望んでいるのは健康で人間らしい生活ができることである。

決して、痛みを取ることだけが目的ではない。

例えば、症状や痛みが取れたその後、下記のようなことが可能になる。

・職場に復帰する。

・家事や育児ができる。患者に具体的に回復後の自分をイメージしてもらう

・趣味ができるようになる。

・友人と旅行に行けるようになる。

・スポーツが出来るようになる。

・表情が明るくなり、笑顔が見られるようになる。

私達の経験上、これらのイメージを持って回復までのプロセスを歩む患者は、早期に回復する。

例を挙げてみよう。

70歳の主婦が3年前に自宅玄関で転倒したときからの膝
節痛がどこに行っても改善しないと日々悩んでいた。

それまでその女性は、友人と旅行に行くのが一番の楽しみであり、生きがい
でもあった。

しかし、3年前の転倒事故で日常生活も不自由になるほど膝の状態が悪く、遠
方に旅行に行ける状態ではなくなってしまった。

日々の膝の激痛も悩みの一つだが、生きがいとしていた旅行にいけないことが何より辛いということである。

この女性は、身体の痛みと同時に心の痛みも感じている。

施術家として、このような患者に対してすべきことはもちろん施術である
ことに間違いはない。

しかし、先にも述べたように、施術家が膝という身体のパーツについて痛みを取ることだけを考えていると、患者が本当は何を求めているかが理解できないことになる。

施術家はこの女性の膝の痛みを解消することはもとより、更にこの女性が3年前に膝を悪くする前の「元の状態」をより具体的で鮮明にイメージできるようにあらゆる方法でイメージを共有することである。

そのための方法として、

・施術の際に健康に生活していた頃のことを鮮明に思い出してもらう。

・痛みがなく、身体が自由に動いていた状態をイメージしてもらう

・毎回の施術が終了した後、少しでも変化があれば、その変化を将来過不足なく動ける状態のステップであるとイメージしてもらう。

・旅行が好きであれば、回復したら行きたいと思っている場所に自分が楽しんで旅をしている姿をイメージしてもらう。できれば旅行店などでパンフレットをもらって、回復後の具体的な旅行計画を立ててもらう。

・健康であった頃(なるべく間近)の自分自身の写真があれば、その写真を常に携帯し、施術者と一緒に写真を見て元に戻った際の健康な状態をイメージする。(ビデオなどの映像があれば更によい)

何故上記のようなことが必要であるかというと、人には生きていくためのイメージが必要となるためである。

先に述べたように、より具体的に身体が健康になるというイメージは、脳が
常に「快」の状態になることで交感神経優位(骨格の歪んだ状態)から副交感神経優位(不必要な筋肉の緊張がない)に働くためである。

慢性的な痛みを持つ患者は、毎日の生活の中で常に「今日はどのように痛みのない生活をしようか・・・。」、「毎日、痛くて、痛くて、精神的につらい・・・。」というような、常に「不快」なイメージを持って生活しているのである。

この状態では、常に交感神経優位であり、骨格上不必要な歪みが発生していることになる。

膝の痛みにより正常な歩行が出来なければ、痛みをかばうことで骨格上の問題も日々大きくなってくる。

脳内のイメージを「快」にするだけで、骨格の歪みの原因を作っている筋肉の不必要な緊張が解消し、骨格は正常な状態に戻ろうとする。

すなわち、健康的な生活が出来るようになるというイメージと、実際の回復整体での施術が一体になって初めて本来の健康を取り戻すことが可能になる。

「病は気から」という言葉があるが、上記の説明において実際に脳内で行われる様々な情報処理の過程から正しいと言えるであろう。

上記の過程を経て、日増しに回復してくる患者に見られる兆候は次のようなものである。

・女性であれば、化粧をする等、身だしなみに気を使うようになる。(痛みがあるときは、このようなことは生活の中で二の次になる。)

・主婦であれば、家の内外のことに目が行く。健康的な生活が出来るようになるというイメージ
(家の中の掃除をしたくなったり、庭の手入れをしたくなったりする。)

・男性であれば、仕事に目が行く。
(これまで出来なかった動作での仕事を積極的に行うようになる。)

・子供であれば、笑顔が見え、友達と外で遊びたがる。

・家庭の中が明るくなり、家族の会話が増える。
(痛みがあると、家族に痛みばかりを訴えるため家族の会話も少なくなる。)

上記以外にも様々な兆候が現れる。

僅かでもその兆候が現れた際には、施術家として最も適した伝達を行うことを心がける。

イメージはダイレクトに骨格の問題に関与していると理解しなければならない。

患者が自らの将来の健康状態をイメージすることで、自院で回復するまで施術を受けようとする自発的な考えが芽生えてくる。

すなわち、患者が健康を手に入れるまでのステップは、実は一般的なスポーツや武道でよい成績を残したり、起業家が成功したりするために用いられる法則やイメージと同じなのである。

患者が「健康」という人生において最も大切な「成功」を手に入れ、患者が「健康」を手に入れることで施術家が「社会的成功」を手に入れることにつながる。

健康になるための物語をつくる(健康イメージの強化)

私達は長年の慢性痛を抱えている患者に対して、健康になるためのイメージを抱くことが特に重要だと説明している。

健康になるイメージというと「頭で思い浮かべること」と考えるかもしれないが、これを自分自身の「健康になるための物語づくり」と考えると痛みを解消する一連の作業を楽しく考えることが出来る。

これが「患者に具体的に回復後の自分をイメージさせる方法」で述べた方法である。

ここでは、そのイメージを更に具体的に患者自身の物語として、どのように伝達していけば良いか解説する。

・患者の症状、痛みについて詳しい物語を組み立て、これまでの自分の生活(人生)の物語として位置づける。

・その物語を誰が受け入れてくれるか思考する。

・物語の最後は主人公(患者本人)が健康になるハッピーエンド。
まず、患者のこれまでの生活(人生)を大まかに考えてもらい、その中心に現在の症状がどこに当てはまるか位置づけする。

施術家は患者が現在の症状と向き合うために、物語の中におけるその症状の役割を説明づける。

・ なぜ、その症状が患者の今の生活(人生)の中に入り込んできたのか。

・ その原因はどこにあるのか。

・ 過去に患者の人生に起きたことで、似たような経験はあったのか。

・ その過去の経験(病気や怪我等)に対処することで自分自身に変化があったかどうか。

これらの事項を患者の物語にしていくことで、回復までのイメージがかなり強化されることになる。

ここで海外での研究結果を紹介してみる。

マサチューセッツ大学のジェフリー・ボーガン博士らの研究班は大腿骨骨折の患者(高齢者)の心情について研究した。様々な骨折処置を受け、リハビリを行っている患者に対し調査した際、患者が大腿部を骨折した経緯と結果について聞き取りを行ったが、研究者達が最も知りたかった質問は、「骨折等怪我の出来事は患者に対しどのような意味があったか?」ということであった。すると、これらの質問に対する回答は大まかに二つに分かれた。一方のグループは、「普通の生活の中でたまたま転んで骨折した」という事実のみを回答した。もう一方のグループは、「最初にこの病気をして、次に体力が落ち、様々な不調が出て、悪いことが重なって、歩くとめまいがして転んだ。」というような物語的な回答をした。調査の当初は、二つのグループに医学的な相違はなかった。しかし調査が終了するころ、違いが生じてきた。第一のグループは、第二のグループの患者よりも手術後の回復が圧倒的に早かったのである。

この事例からも、マイナスイメージを持つ患者よりもよりプラスイメージを持つ患者のほうが自然治癒力も高くなることが分かるだろう。

健康を害した際、その不調は誰のものでもなく、患者本人が感じるものであり、自分自身のこととしてしっかり認識した上で物語的なイメージを持つことと、回復整体の実際の施術との相乗効果によりかなり高い確率で回復していく。

逆に言えば、マイナスイメージの物語を作り上げれば、脳はそのイメージを忠実に再現し、身体の不調があれば、骨格上の問題を更に助長して大きな健康障害を引き起こすことにつながる。

そのメカニズムはこれまで解説してきたとおりである。

プラスイメージの物語と言っても、難しく考える必要はない。

その患者がこれまでの生活の中で楽しかったこと、健康を取り戻したら真っ先になにをしたいのか?

そのことに焦点を当て、施術家とともに組み立てていけばよいのである。

その際の方法は、「患者に具体的に回復後の自分をイメージしてもらう」で解説したとおりである。

患者が健康的な生活を送ることが第一の目的であり、その目的のためにこの物語の主人公が自分自身であるということをイメージさせて回復に導く。

なにより、この物語が出来ると、予約システムにおいて骨格診断を基に施術者が組み立てた回復整体カリキュラムが十分活用されることになる。

 

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