⑤腰背部膝入れゆらし回復法(仰臥位コアテクニック回復法手順~仰向け~)

他のCTC技法解説は以下を参照ください。

回復整体における「骨盤調整法」コアテクニック技法理論解説

①三点軽圧回復法(伏臥位コアテクニック回復法手順解説~うつぶせ~)

②開脚骨盤調整回法/足首ゆらし(伏臥位CTC回復法手順解説~うつぶせ~)

③開脚運動回復法/腰・肩・上腕・首(伏臥位CTC回復法手順解説~うつぶせ~)

④伏臥位両下肢ゆらし回復法(伏臥位CTC回復法手順解説~うつぶせ~)


2.仰臥位コアテクニック回復法手順(仰向)

伏臥位両下肢ゆらし回復法が終了後、仰臥位の回復法となる。

仰臥位回復法を行う前に、伏臥位までの回復法により、相手の症状や関節可動不良などの不具合がどの程度改善されているか記録を見ながら問診をすること。

また、仰臥位検査での結果と伏臥位回復法を行った後の仰臥位検査での結果で各部位の歪み・捻じれ筋肉の緊張、疲労等の改善を相手とともに確認すること。


⑤腰背部膝入れゆらし回復法(背部・骨盤・股関節・腹部・大腿・膝など)

(「腰背部膝入れゆらし回復法」は6分56秒から)

腰背部膝入れゆらし回復法は、伏臥位回復法において、既に骨盤周辺及び体幹上の筋肉の緊張及び、脳への危険な信号が解消され、これらの刺激が安心安全であると相手が心身ともにリラックスした状態で行うことが望ましい。

 

仰臥位での最初の回復法であり、再び相手の脳に対して危険な刺激であると判断されないように、更に安心安全な方法により回復法を行うことを心がける。   この回復法は相手の片側の膝を施術者の膝の上に保持して、主に大腿部をゆらすことにより、連動した筋肉群に対して、更に腰部、股関節、大腿部各周辺の不必要な緊張を解消するものである。

 

これまでの回復法同様、ゆらしの刺激は、初速に十分気をつけ、決して無理な力を加えず、少しずつ動作させ、相手が心地よいと思える範囲の刺激で行う。

 

全身が少しでもゆれ始めたら、そのゆれを補助する程度の動作に心がけること。

また、同時に背部に施術者の片手五指を差し込む際に刺激が過剰に相手に伝わらないように注意すること。

この回復法を行うことで、全身の様々な部位に以下の不調が原因である、


■腰背部の筋肉の不必要な緊張

■仰臥位で静止している際の腰痛

■一部の膝の痛み、大腿部周辺の疲労・緊張

■触ると痛いなどの恐怖感・筋肉の痛み

■相手の身体に触れている部位の筋肉痛

■足首の疲労 ■腹部周辺の不必要な緊張(便秘・下痢)


等の回復が見込める。 上記のほかにも様々な症状が改善される

腰背部膝入れゆらし回復法は、相手にとっても、様々な疲労が回復されることから、心身ともにリラックスできる回復法である。

相手に不必要な緊張が発生しないように、過剰なゆらし動作に注意し、心地よいゆらしにより脳への安心安全な刺激を伝えること。

以下、腰背部膝入れゆらし回復法の手順と注意事項を述べる。

 

ア)施術者は写真①のように相手に仰臥位になるように指示する。

 

イ)写真②のように相手に接近し、相手の膝を曲げるように指示する。

 

ウ)写真③のように曲げた相手の膝の下に施術者の片方の大腿部(相手の足先側)をゆっくりと差し込む。

 

エ)写真④のように施術者の大腿部が丁度良い位置にあるとき、相手に膝を伸ばすように指示、施術者の大腿部中央に相手の膝裏があたる位置に置き、施術者の片側の掌(相手の足先側)で保持する。

 

オ)写真⑤のように施術者は背筋を伸ばし、自らの姿勢に注意を払いながら、膝上にのせた相手の大腿部内側をゆっくりとゆらす動作を始める。

 

カ)ゆらし動作は、これまで同様、初速を無理にかけようとせず、身体中の筋肉の連動を意識して、流れに逆らわずゆっくりとした動作を心がける。

 

キ)相手の全身が大腿部を中心に頭部までゆられているかどうか、、動作の一往復ごとに確認する。

 

ク)写真⑥のようにゆらし動作と同時に施術者の片方の五指を相手の腰背部に差し入れ、腰背部周辺の緊張を解消するように五指で軽圧法を行う。最初は、上背部周辺から行う。

 

ケ)次に、写真⑦のように中背部周辺を行う。

 

コ)最後に写真⑧のように下背部周辺を行う。

 

サ)どのような場合も、各関節の自然な動きに対応して無理なく行うこと。決して力任せに相手の自然な動きを邪魔してはならない。

 

シ)ゆらし動作と、軽圧法を行う両手の動きは常にリズミカルで連動するように気を配ること。決してちぐはぐな動きにならないように注意すること。 どのような方向にゆれが増幅していくか、五感のうち、視覚と触角を研ぎ澄ませてゆらしの感覚をつかむこと。このときも相手に痛みや不具合がないか、常に確認して作業すること。

 

ス)ゆらし動作中に必要があれば、写真⑨~⑫のように、骨盤、股関節、腹部周辺、膝関節、大腿部周辺に対してゆらし動作及び五指による軽圧を行う。

 

セ)終了の際は、急に動作を停止せず、緩やかに止めるように心がける。吸気にてゆっくりと保持していた五指を開放する。

 

ソ)動作が停止した後、写真⑬のように相手に再度膝を曲げてもらうように指示する。曲げた膝の隙間から差し入れていた施術者の大腿部をゆっくりと抜き出す。

 

タ)相手に曲げた足をゆっくりと伸ばすように指示する。

 

チ)全てが終了後、問診の際の痛み、不具合が解消したか必要な検査及び、体感上の変化を相手とともに確認する。

 

ツ)そのまま身体の同じ側の手組ゆらし運動回復法に移る。

 

テ)身体片側の腰背部膝入れゆらし回復法および手組ゆらし運動回復法終了後、施術者は相手の反対側に座しもう片側を、同じ手順で行う。


①相手に仰臥位になるように指示し、施術者は相手の大腿部側面に座す


②膝をゆっくり曲げるよう指示し片側大腿部を差し入れる準備をする


③曲げて出来た膝の隙間に施術者の大腿部を差込み、相手の膝をのせ保持する


④施術者の大腿部を相手の膝裏に置く


⑤膝上にのせた相手の大腿部内側をゆっくりとゆらし始める。


⑥最初は上背部周辺から始める


⑦次に中背部周辺を行う


⑧最後は下背部周辺を行う


⑨動作中に必要があれば骨盤・股関節周辺も同時に行う


⑩動作中に必要があれば腹部周辺も同時に行う


⑪動作中に必要があれば膝周辺も同時に行う


⑫動作中に必要があれば大腿部周辺も同時に行う


⑬動作が終了後、相手に膝を曲げてもらい施術者の大腿部を抜き終了

⑤手組ゆらし運動回復法(肩部・頚椎・胸部・上背部各周辺)につづく。


 

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